心が折れそうな時は思い出して!自分の時間とエネルギーをそそぐべきもの

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『自分に嫌われない生き方』 (谷口たかひさ/KADOKAWA)第4回【全9回】

世界16か国で合計約2,000回講演した環境活動家の谷口たかひささんは、毎日無数に繰り返す判断を、どちらを選べば自分のことを好きでいられるかで決めているそう。それは、人生でもっとも大切なのは「自分を好きでいる」 ことだという信念があるから。書籍『自分に嫌われない生き方』(KADOKAWA)は、谷口さんが世界を訪問して分かった「豊かに生きる人々の価値観」をまとめたもの。「成功」ではなく「幸せ」をつかむために必要な「自分に嫌われないこと」について、本のなかのいくつかのエピソードをもとに考えてみませんか?

※本記事は谷口たかひさ著の書籍「自分に嫌われない生き方」から一部抜粋・編集しました。

自己肯定感=家

イヤなことが続いて心が折れそう......

子育てや学校教育において、最も重要視されるべきものの1つが、「自己肯定感(自尊感情)」。この言葉は「自分で決めることができて、自分のその決定を自分で尊重できること」と定義されています。

日本人は諸外国に比べてこの自己肯定感が低いという調査結果が出ています。日本では「流行り」のように扱われることもあるこの「自己肯定感」ですが、他の国では盤石な地位を築いています。

例えば、イギリスがその国家予算の多くを投じる「NHS(国民保健サービス)」の公式ホームページにはこうあります。

もしあなたの自己肯定感が低ければ、あなたは人付き合いを避けるようになり、新しいことや難しそうなことに、チャレンジすることをやめるようになります。それは短期的には安全を感じられるかもしれませんが、長期的には逆のことが起こり、あなたの心の奥底にある疑いの心や、恐怖を増幅していくのです。

低い自己肯定感のまま生きることは、あなたのメンタルヘルス(精神的な健康)に害であり、不安やうつ等に繋がりえます。

国家予算の多くが使われているイギリスの国民保健サービスが、低い自己肯定感のまま生きることは健康に害であると、だから高めようと推奨しているわけです。

以前講演に呼んでもらった中学校では、校長先生が自己肯定感を何よりも大切に考えているとおっしゃっていました。実際にその学校の子どもたちは、とても生き生きとしていて嬉しくなりました。全国を周っていると、そんな学校も増えてきているように感じます。

僕はよく、自分の身に起きること=天候に、自己肯定感=家にたとえます。

雨が降ろうが風が吹こうが、雷が落ちようが地震が起きようが、家が頑丈であれば平気なわけです。

反対に、家がボロボロであれば、少し悪天候になっただけでひとたまりもありません。有名な絵本『三匹のこぶた』もそうでしたね。

多くの人はこの「天候」のほうを、悪くならないように願ったり、コントロールしようとしたりするんですが、そんなことは不可能です。

自分の人生に何が起きるかをコントロールできないように。

お願いなんて、てるてる坊主ぐらいの効き目しかありません。生きていれば、天候が良い日もあれば悪い日もあるのはあたりまえのことです。

ただ、天候を操ることは不可能でも、家を頑丈にすることは可能なんですね。

自分がコントロールできないものに注ぐ時間とエネルギーがあるなら、自分がコントロールできるものにひたすら注ぎましょう。

頑丈な家は、ローマと同じように一日にして成るものではありませんが、地道に取り組めば必ずつくれるものです。

一生モノの、ビクともしない家をつくりましょう。

自分だけではなく、自分の大切な人も招き入れて守ってあげられるような、強くてあたたかい家(=自己肯定感)を。

参考文献
・ 「National Health Service(国民保健サービス)」https://www.nhs.uk/

 
※本記事は谷口たかひさ著の書籍「自分に嫌われない生き方」から一部抜粋・編集しました。
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