孤独の辛さを解消する方法。「おひとりさま」全盛の時代だからこそ知っておきたい【僧侶が解説】

次は自分を支えてくれている存在を思い出してみます。

誰にでもご先祖様がいて、10代遡れば1000人以上の人が関わっていることになるでしょう。

つまりこれは、もう生まれた時点であなたは1人じゃないということなんです。

ご先祖様はあの世からあなたを応援してくれていますよ。

あなたはたくさんの人との関わり合いがあったから、今ここに存在できています。例えば、嫌なところもあったかもしれないけど育ててくれた親や保護者がいるでしょう。家事をしてくれたり、仕事をしてお金をもたらしてくれたりする家族、話が通じないこともあるけど近くにいてくれる友達がいるでしょう。

普段歩いている道だって誰かが作ってくれたものですね。道を安全に渡れるのも誰かが信号機を設置してくれたおかげ。コンビニで買い物をするにも、そこにある商品を作ってくれた人、包装してくれた人、届けてくれた人、レジで会計してくれる人がいるのですから。

みんなそれぞれがつながり合って、今の世界が成り立っているんです。

あなたも存在しているだけでその世界の一員です。

「存在しているだけで何をしているわけでもない」と言う人もいるかもしれませんが、あなたの周りにいる人は、あなたがいなくなったらきっと悲しみます。

繰り返しになるけれど、あなたはそもそも1人じゃないわけですから。

そもそも、私たちは1人で生きるのに向いていないように思います。

戦後まではどこの家も、1つ屋根の下で3世代、4世代が当たり前のように一緒に暮らす大家族でした。地域の人同士もみんな和気藹々とつながっていましたね。

だから家族を守ろう、身内を守ろう、友達を守ろう、という意識が強く、それが戦争の際には「お国を守ろう」「仲間のためなら死ねる」という姿勢にまで発展したんですね。

もちろんこの姿勢を肯定する意図はありませんし、戦争はいけない。でも、個よりも集団を大事にする国民性があったということだと思うんです。

第二次世界大戦のとき、日本は世界から恐れられた。「なんで国のために死ねるんだ」「なんで喧嘩をしに来て、生きて帰ろうと思わないのか」と。

でも敗戦後は、日本人の精神性のもととなっていた大家族をやめて核家族化した経緯がありますよね。

核家族化して一家が分散化したら、調理器具でも電化製品でも家庭ごとに必要になりましたから、ものがどんどん売れました。

もちろんそのおかげで日本の経済は大きく成長できたわけです。

でも、その代わりに失ってしまったものを、私たちは見て見ないふりしてきたとも感じるんです。

今一度振り返ってみて、落としてきたものを検証してもいいと思うのです。

 
※本記事は山平 善清著の書籍『日本一「楽」を生きるお坊さんの開運説法 あの世のお力借りてみな』から一部抜粋・編集しました。
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