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日本人が西洋人に比べてお酒に弱い理由
お酒を飲み過ぎた人は、酔っ払って気持ち悪くなったり、二日酔いになったりする。これは世界のどこでも同じだが、じつは日本人は西洋人に比べてお酒に弱い人が多いのだという。
お酒として摂取したアルコールは、体内で酵素に分解されるが、毒性のあるアセトアルデヒドという物質が残る。このアセトアルデヒドが体の防御作用のすき間を抜けて、脳を軽い麻痺状態にする。これが「酔い」である。
だが、アセトアルデヒドはALDH2という酵素の働きで無害な酢酸となり、さらには二酸化炭素と水に分解される。こうして酔いが醒めるのだが、ALDH2には活性が強いタイプ、弱いタイプ、そして活性がまったくないタイプの三つの型がある。
お酒に強いといわれるのは、活性が強いタイプのALDH2を持っている代謝速度の速い人で、活性が弱いタイプ、まったくないタイプの持ち主は、お酒に弱いといわれる。
コーカソイド(白人)やネグロイド(黒人)は、ほぼ100パーセントが活性型のALDH2を持っており、低活性型や非活性型はいない。一方、非活性型はモンゴロイド(黄色人種)だけに見られ、特に日本人に多い。日本人は37~38パーセントが低活性型、6~7パーセントが非活性型だと考えられる。つまり日本人のおよそ半数がお酒に弱いということになるのだ。
体がアルコールを受けつけるかどうかは遺伝子のあり方によって違うのだから、無理して飲んだり、飲めない人に勧めたりするのはやめておこう。また、活性型のALDH2を持ち、お酒に強いといわれる人でも、アルコール依存症になるリスクはあるから要注意だ。
ところで、お酒を飲んで胃痛や吐き気がするのは、ALDH2の有無によるものではなく、胃壁がアルコールによって刺激されたため胃酸の分泌が増え過ぎ、軽い胃炎になっている状態。飲み過ぎの結果なので、自制するように心がけよう。
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『人類なら知っておきたい 地球の雑学』
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