野山や庭に花の色があふれ出す4月。『毎日が発見』本誌連載「明日へ」でおなじみのガーデナー・水谷昭美さんのお宅におじゃましました。「春が来たから、食べようね」と、そんな言葉で誘われたきれいな春色ご飯をご紹介します。今回は柿の葉の押し寿司です。
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ピカピカ光る萌黄色の葉を使って
「柿の葉」
リビングの窓の横にある柿の木は、4年ほど前に植えたもの。桃栗3年、柿8年という言葉通りまだ実はつかないそうですが、背丈はずいぶん伸びて、春には若葉を、秋には紅葉を楽しめるようになりました。
「春の柔らかい緑は本当にきれい。料理に使えないかしらと思い巡らせて、お寿司を包んでみたんですよ」
冬の間裸だった枝いっぱいに若葉が生え揃って、ふんわり暖かそう。
葉に包まれた酢飯がしっとり
「柿の葉のふっくら押し寿司」
作り方
1. まず具材の用意から。さばに適量の塩をふり、グリルで焼いて、約2㎝の幅に切る。ゆでたエビは、少量の酢と塩を加えた水に30分ほど浸し、しっとりさせて上げる。
2. 次は甘味控えめの酢飯作り。酢、砂糖、塩(4:2:1.5)を合わせ、固めに炊いて飯台に広げた熱々のご飯に回しかける。うちわなどであおいで粗熱を取りながら、しゃもじでさっくりと混ぜて味をなじませる。
3. 2の酢飯を俵型に結び、柿の葉にのせて、さらに1をのせる。
4. 葉で3全体を包むようにして飯台に並べ、お皿などで重しをして20~30分おく。
摘んだばかりの柿の若葉。
取材・文/飯田充代 撮影/斎藤大地
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水谷昭美(みずたに・あきみ)さん
小さな庭に花を咲かせて40年。植物を育てるだけでなく、バラのつるが絡まるアーチや水色の扉も手作り。季節の廻りを感じる暮らしを楽しんでいる。春は庭に咲いた花や実った野菜を料理するのが恒例。