マグロで知られる神奈川県・三崎の朝市(毎週日曜開催)にいったら、直径60㎝ほどある三浦大根が1本300円で大興奮した鷹取です。しばらく大根を食べ続けます。さて、50代以上の方にお届けする定期購読誌『毎日が発見』に携わる中で、40代半ばの私が、日々の取材活動の中で「年を取るということはどういうことか」に向き合う様を、綴っていきたいと思います。
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災害対策、いまもしていますか?
東日本大震災が起きた時、私は『東京ウォーカー』という情報誌の編集部にいて、『千葉Walker』『埼玉Walker』という季節版の同時発売(3月30日)に向けて、締切の作業に追われていました。各エリアに取材に行ったカメラマンやライターの一部には、帰宅ができなかった方もいましたし、取材先の関係者の方が被災されたり、イベントが次々に開催中止になるなか、災害対策の企画を、千葉県や埼玉県の方とご相談しながら新しく作るなど、まさに大混乱の中での編集作業でした。
『毎日が発見』を担当するようになり、日本全国を取材対象とするようになりましたが、私が編集長になった2016年4月には「熊本地震」が起こり、その後の災害対策の記事で、「震源から離れた場所で前震に遭ったので、油断していたのかもしれない」と、取材に協力して下さった熊本在住の読者の方の言葉が胸に刻まれました。
「次の災害はまだ起きないだろう」「現在の状況が続くだろう」
という考えが、私自身にもあります。こういった考え方を、防災・危機管理アドバイザーの山村武彦先生は、「認知心理バイアス」だと教えてくれました。
2018年3月号では、災害対策として「凍り付き症候群にならない方法」を特集化しています。凍り付き症候群とは、「予期せぬ事態が発生したとき、何が起こっているのか理解しようとするが、訓練・経験していないので、心と体が凍りついたように動けなること」をいいます。それは次の「認知心理バイアス」によるもので、次の二つの考え方があるのだそうです。
◎正常性バイアス
近い将来、大地震発生確率が高いと聞いても、現在の正常な状態がずっと続くと思い込んでしまっていること、嫌なことは起きないと考えてしまう心理傾向
◎感情弱化バイアス
つらい記憶ほど忘れたくなる心理状態を指す。加速度的に記憶の風化が進み、次の災害は起きないだろう、自分だけは死なないと楽観的に考えてしまう
身に沁みますね。今回は、山村先生に伺った、災害時にやってはいけないことをご紹介しています。企画の中で、特に実施していただきたいのが「非常トイレ体験」です。1回でも経験しておくことが大切なのだとか! 誌面には詳しい実施方法をご紹介しています。
先生の企画を終えて、キャシー中島さんが「いつでも会えると思ってはいけないわ」とおっしゃっているのを思い出しました。同じように、大切な人たちに、感謝の気持ちを伝えることも大切ですね。