「40代に区切りをつけるとしたら、やらなきゃいけないのは」ムロツヨシさんインタビュー

親友・永山瑛太との共演で20年来の友情を再確認

――孝証を誰よりも必要としていたのは、身代わり発案者の家老・斎藤。演じる林遣都さんとの攻防に爆笑でした。

身代わりを、やるかやらないかの駆け引きが展開する序盤は、"孝証がゴネまくったほうがおもしろいよね"ということで。

僕が勝手に思いついたアドリブに林さんが反応する感じ。

反射神経がいいお芝居をされる方で、本当に頼りになりました。

――仇同士でありながら、奇しくも孝証と男の絆を結ぶ大石内蔵助(くらのすけ)には永山瑛太さん。プライベートでも親友とか?

2005年に、瑛太が初主演で僕が初出演の映画『サマータイムマシン・ブルース』で共演して以来、映画は2作目。

20年来の友人・永山瑛太という役者に思い入れが強いので、共演シーンは緊張しましたね。

でも、おいしいお酒も苦いお酒も一緒にたくさん飲みながら"どうやって役者として生き延びようか"と相談してきた仲ですから。

そういう積み重ねがあってこそ、今回の孝証と内蔵助の友情が演じられたと思います。

――1月23日で48歳に。50代までにやっておきたいことは?

もう一回やらなきゃいけないのは舞台作りでしょうね。

ライフワークでもある舞台「muro式」も21〜22年の「muro式.がくげいかい」が最後ですから。

もともと舞台で活動しながら、映像でやりたいことを増やしてきて、ここまで来ましたから。

その40代に区切りをつけるとしたら、やっぱり舞台です。

僕が演出をしなくても、僕が言い出しっぺで誰か気になる演出家の方と組んで、とにかく舞台を作る。

今年はスケジュールが決まっているのですが、その合間に準備をして......。

50歳になる前にはお披露目したいですね。

取材・文/金子裕子 撮影/齋藤ジン ヘアメイク/八色真希 スタイリスト/森川雅代

 

ムロツヨシさん

1976年、神奈川県生まれ。大学在学中に役者を志し、自身が作・演出・主演を行う独り舞台で活動開始。本広克行監督の『サマータイムマシン・ブルース』(2005年)で実写映画初出演。以後、数々の映画・ドラマに出演し、18年にはエランドール賞新人賞を受賞。映画『マイ・ダディ』(21年)で映画初主演を果たし、23年にはNHK大河ドラマ「どうする家康」で豊臣秀吉を演じたほか、ドラマ「うちの弁護士は手がかかる」や「ドラフトキング」(WOWOW)などに出演。

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『身代わり忠臣蔵』

城中で吉良上野介に斬りかかった赤穂藩
主は切腹した。そのいっぽうで、じつは
上野介も逃げ傷を負って死んでいたのだ
が、逃げ傷は武士の恥であり、お家取り
潰しにもなりかねない。そこで家老は末
弟・孝証を上野介の身代わりにするが…。


2月9日(金)
全国ロードショー
監督:河合勇人
出演:ムロツヨシ 永山瑛太 川口春奈 北村一輝 林 遣都 他
原作:土橋章宏『身代わり忠臣蔵』(幻冬舎時代小説文庫)

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