役に入り込むと開放的になれる
――会見など舞台以外で女装をしている時のマインドはドロシーなのでしょうか。それともマイケルか山崎さん?
そうですね、半分ドロシー、半分育三郎ということでドロ三郎(笑)。
ふだんの感じで喋るのもなんだか違う気もするし、楽しすぎても内容が入ってこないかもしれないしという微妙なラインにいるようにしていますね。
――役柄、特にドロシーとの共通点もしくは異なるところはどういったところですか。
まず、体ですよね(笑)。
僕、わりとお尻が小さめなんです。
腰も細身で、お尻も可愛い感じなんです(笑)。
それなのでドロシーの時はちょっと大きめのパッドを入れていただいてボディラインを作っています。
自分はもともと人見知りで人前が大嫌いで、いつも母親の後ろに隠れているような子どもだったんですね。
それがミュージカルに出会ったことで、自分じゃない何かが入り込んで、その人になりきって舞台に出たら、堂々としていられたんです。
ドロシーの格好をすると、その時の感覚に近い感じがありますね。
全然緊張しなかったり、初めて開放されるような瞬間。
それは共通点かなと思います。
――注目してほしいシーンなどは。
全部に注目していただきたいですが、ひとつはマイケルからドロシーに変わる早着替えですね。
数十秒で全部脱いでドレスを着てメイクをしてカツラをつけて。
最後マスカラも塗ったりして本当にギリギリです。
稽古を始めた当初は間に合いませんでした(笑)。
ヒールをはいてドレスで歩くだけでも本当に大変なんです。
それを自然とこなして美しく動いている女性って本当に素晴らしいなということも改めて思いました。
「トッツィー」は本当に楽しくて、年齢に関係なくいくつからでも変われる、新しい自分と出会えると思わせてくれる、最高のミュージカルです。
ザッツ・ミュージカルというか、ミュージカルの素晴らしさがすべて詰まっていますので、ぜひ見に来てください。
主要キャストと演出家による記者会見には、抽選でオーディエンスも招かれ大いに盛り上がりました。
取材・文/鷲頭文子