八ヶ岳で一人暮らしや山でのエコな生活をYouTubeで発信している染織家の、なかはらけい子さん。田舎暮らしにあこがれて古民家に移住し、やりたいことに何でもチャレンジしている様子を覗いてみました。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2023年10月号に掲載の情報です。
好きなものを好きに着たいから、身近な植物で染めて、自分好みに生まれ変わらせます
山暮らしは時間が自由。好きなことに何でも挑戦
八ヶ岳での一人暮らしや、山でのエコな生活を紹介したYouTube動画が人気のウリウリばあちゃんこと、なかはらさん。
20代の頃は東京で映画の衣装の仕事を担当するも、田舎暮らしに憧れ、山梨の古民家に移住したそう。
「そこで息子を授かり、保育園のときに2人で八ヶ岳にきました。息子が独立した51歳からはまた一人暮らし。旦那はシティーじじいなので、一緒に暮らしたことはないですねえ」とカカカと笑うなかはらさん。
静かな山暮らしというより、イキイキと元気いっぱい、活動的な暮らしです。
「染色は独学ですが、裏山で植物を採ってきたりして、藍染めや柿渋染めなど、自然素材で染めた服や小物を作るのも楽しくて。長年買ってくれる人もいます」と、やはりアクティブ。
本日、エムポルクのトップスに合わせたスカーフやパンツも、自作なのでしょうか?
「自宅にあった麻布を藍染めにして、スカートに見えるけど動きやすいラップ風のパンツにぬったんですよ。服は好きなものを好きに着たいので、好みに合わせて自分で作っちゃいます」。
自然に溶け込む目に優しい服の色は、植物から生まれた染料を使った藍染め。
身近なものを利用して、好きなもの、必要なものにしてしまう知恵はさすがです。
「Tシャツも、汚れたら染めてまた着ます。何度でも生まれ変わるから、新たにものを買わなくても楽しく暮らせるんです。森も草も、周りにあるもの全てが宝箱みたいですね。染色以外にも、いまはやりたいことには何でもチャレンジしています。陶芸や金継ぎも、知り合いに教わって始めたところなんですよ。外出に時間を使わない山の一人暮らしだからこそ、時間を何に使っても自由! 興味あることなら何でもやって、よりよい70代を過ごすために、楽しく自分探しする毎日です」
取材・文/黒木博子 撮影/かくたみほ ヘア&メイク/枝村香織