いまをまっすぐ進む大人世代に、服と一緒に歩む人生について伺う、こちらの連載。今回は、コロナ禍で服についての考え方が変わったという紫苑さんにお話をうかがいました。
*この記事は月刊誌『毎日が発見』2023年9月号に掲載の情報です。
"あるもの"でリメイク。自分好みに作り変えて、着ることを楽しみます
お金をかけなくても〝好き〞な服に変えられる
テレビや新聞などで話題のシニアブロガー・紫苑さん。
「月5万円年金生活」を紹介するブログでは"あるもので工夫する"小さくも豊かな節約生活が反響を呼んでいます。
フリーランスで仕事をしながら子ども2人を育て上げたため、年金受給額は月5万円。
限られた予算の中で、おいしくて健康にもいい月1万円レシピ、リメイクおしゃれなど、節約生活は楽しそう。
では、服はどうしているのでしょうか?
「若い頃に買った服を、百円ショップで買った布などでリメイクして楽しんでます。10年前まではきものにハマり簞笥(たんす)が壊れるほど買ったことも。その後コロナ禍で仕事が減り、年金5万円生活になり服への意識も変わりました。
仕事だと人目を気にするのが先にたちますよね。それがなくなると、自分のためだけにおしゃれができて楽しくなったのもあります。今日のスカートも家にあった布とレースのカーテンで作ったのですが、左右で長さが違う自由な形が楽しくて。好みにピッタリなものって探してもなかなかないですよね。じゃあ、あるものや安いもので自分好みにしちゃおうって」
リサイクルセンターで見つけた格安の服をえりだけきものの生地に変えたり、小さなディテールを自分好みにすると、着るのが楽しくなるそう。
「節約生活を始めて、そんな小さなところでおしゃれを楽しむようになりました。全身おしゃれより、"ちょっとだけおしゃれ"の方が、さりげないし簡単にできます。年齢を重ねると黒など無難な色ばかり着がちだなと自分でも思うのですが、えりだけ明るい色にしたり、ワンポイントだけ好きな色をいれても、雰囲気が明るくなるし、気持ちも明るくなる。そんな大人女性が増えたら、街も明るくなっていいんじゃないかなって」
取材・文/黒木博子 撮影/かくたみほ ヘア&メイク/枝村香織