宝塚歌劇団入団から20年、そして星組のトップスターに就任して10年と、2019年は節目の年となる柚希礼音さん。全篇撮り下ろしの20thアニバーサリー写真集『ETERNITY』の発売を4月に控え、撮影エピソードや舞台への想いを改めてお聞きしました。
新しい作品に挑むたびに足りないことだらけで、"なんで!?"って不思議になるくらい
宝塚歌劇団で6年にわたり星組のトップスターを務めた柚希礼音さんは、宝塚屈指と言われたダイナミックなダンスとスケールの大きな存在感で絶大な人気を誇り、現役タカラジェンヌとしては史上二人目となる日本武道館コンサートも開催。歌劇団が100周年を迎えた2014年には宝塚の顔として活躍し、2015年に惜しまれながら退団した後も女優として、ダンサーとして、パフォーマーとして、舞台を中心に精力的に活動されています。
「私は、とにかく"表現"することが好きだったので舞台に立つことは楽しかったけれど、クラシックバレエしかやってこなかったから"男役"のダンスに戸惑ったり、宝塚ならではの大役に手も足も出なかったり、本当に足りないことだらけで! トップになるまで、ずっと劣等感ばかりでした」
入団からわずか10年という速さでトップまで上り詰めたにもかかわらず、謙虚に語る柚希さん。「今もそうですよ。新しい作品に挑むたび足りないことだらけで、"なんで!?"って不思議になるくらい」と告白してくださいましたが、その"足りない"への敏感さと自分自身への厳しさこそが1999年の初舞台から20年、絶えることのない進化を果たしてこられた秘けつなのかもしれません。
20周年の写真集だから、一歩進んだ姿をお見せしようと
そんな柚希さんの芸歴20周年を記念して『柚希礼音写真集 ETERNITY【DVD付】』が、4月10日に発売されます。柚希さんご自身が「これから先、さらに深くへ......という意味合いを込めて」と選ばれたスコットランド(エディンバラ、グラスゴー)で撮り下ろされたもので、中には「100万年ぶり(笑)」というメリーゴーラウンドにスカートで乗ったり、風船と共に街を闊歩する姿も!
「エディンバラは風が強くて風船を持って撮るのは苦戦したんですけど、ずっとやってみたかったんです。スカートも、20周年の写真集だから一歩進んだ姿をお見せしよう......と入れ込んでみたんですけど、ちょっと前だったらきっと違和感あったでしょうね(笑)。スコットランドは食事も美味しかったし、まさかの現地ファンの方とも出会えて、とっても感動的な旅でした」
写真集の中には、柚希さんの目から見たスコットランドを切り取ったコーナーもあり、自撮りにも挑戦している。また、メイキング映像とインタビューを収録したDVDが付属しているのに加え、舞台人としての20年を改めて振り返った最新のロングインタビューが掲載されており、"舞台人・柚希礼音"の現在と、未来への力強い目線を感じることのできる1冊になっています。
自分がどうしたいのかを、一番大切にしなきゃいけないって思った
宝塚退団直後は「ファンの方の気持ちを考えて、比較的ボーイッシュな役柄を選んでいました」という柚希さん。しかし2018年の舞台『マタ・ハリ』の主演をキッカケに、考え方が大きく変わったと言います。
「演出家の方に『お客様に好かれようとしない!』と言われて、その通りだなと。たとえどう思われようと、自分のためにやりたいことをやろう。自分がどうしたいのかを、一番大切にしなきゃいけないなって思ったんです。だから今後ファンの皆様を驚かせることもあるかもしれないです。そして、ダンスはできる限り踊っていきたいですね。ちゃんとケアしていけば、歳を重ねても踊り続けられるんだってこともわかったし、マイヤ・プリセツカヤさんとか、80歳を超えても踊ってらっしゃいましたから!」
5~7月には東京と大阪にて『REON YUZUKI one-man show Musical「LEMONADE』』を開催し、7月末にはアイスショー『氷艶 hyoen 2019 -月 光かりの如く-』で「中学生ぶり」というアイススケートにも挑戦。9・10月には、A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』で主演を務める。芸歴20年を経て、活躍の幅はますます広がるばかり。
「歌も芝居もダンスも全部がんばりたい」という、その元気と美しさの秘けつを『毎日が発見ネット』の読者のためにうかがいました。
「今向かい合っている舞台やお仕事の中に、自分が幸せだな、楽しいなと思うことをできるだけたくさん見つける。そうしたら、些細なことでもしんどい時でも幸せが溢れてきて、結果自分が幸せになれると思うんです」
「柚希礼音写真集『ETERNITY』【DVD付】」
価格:4,800円+税
撮影:キセキミチコ
英国スコットランド(グラスゴー、エディンバラ)で撮影。英語圏でも最古の大学のひとつであるグラスゴー大学や、創設から100年以上の歴史ある劇場、キングス・シアターなどの全面協力のもと全篇撮り下ろし。はじめて訪れた街で、歩みを止めずひたすら前を見続けるアーティスト・柚希礼音の姿を追う。撮影の舞台裏を追ったDVD(約55分)付き。
©REON YUZUKI 2019