聴力ケア

「謝れ!」家の空気を悪くする「祖母の難聴」。ようやく耳鼻科に行ったら...嘘でしょ?<前編>

「私の祖母は89歳。普段はおしゃべりで情に厚く優しい人なのですが、感情の起伏が激しい事が難点です。耳の聞こえが悪くて耳鼻科の通院を勧めていたのですが...」

「謝れ!」家の空気を悪くする「祖母の難聴」。ようやく耳鼻科に行ったら...嘘でしょ?<前編> pixta_83332822_S.jpg

■感情の起伏が激しい89歳祖母。耳の聞こえに不安があって...

私の祖母は現在89歳。

実家でアルツハイマーを患っている祖父(93歳)、母(59歳)、父(58歳)、弟(30歳)と暮らしています。

祖母は普段、ただおしゃべりなだけで情に厚く優しい人なのですが、感情の起伏が激しい事が難点です。

何か気に入らないことがあるととたんに「なんと言った!」「謝れ!」などと烈火のごとく怒り出し、その後、2カ月間も口をきかないという事もあるほど。

更に、祖母は耳の聞こえが悪く、間違って聞き取ることが多々あります。

厄介なのは間違ったまま聞き取り、それについていきなり怒り出すこと。

一度火がつくと、他人が口をはさむ猶予はありません。

おまけに怒りが頂点に達すると一人の世界に閉じこもるため、間違いを正す事ができないままになってしまうのです。これに頭を抱えるのは主に母です。

祖父はアルツハイマーを患っているものの、90過ぎのお爺さんとは思えないほど体はしっかりとしています。

自転車を漕いでさっとどこかへ行ってしまうので、いつもは祖母が側で小言を言いつつ見てくれています。

ただ、これが怒りモードになっていると祖父のことはしらんぷり。

怒りの対象が祖父でなくても同じです。

そのため母は日常の家事に加え、祖父の様子にも常に気を配らなくてはなりません。

家庭内の張り詰めた空気にも気を使わなければならず、多大なストレスを受けていました。

■かたくなに耳鼻科通院を拒む祖母。しかしある日...

せめてこの難聴による怒りモードをなくしてくれたら・・・。

幾度となく私は耳鼻科を勧めました。

でも「わしゃあ生活に困っているわけでもないから必要ない」この一点張り。

勿論生活に困っているのは母や周りの人達。

せめて一度耳鼻科にかかって欲しい。

そう思っていても実現する可能性は低そうでした。

ところがです。

なんと私が結婚を機に実家を出た後、突然、祖母が耳鼻科にかかったというのです。

後で聞いてびっくりしました。

あの祖母が! またどうして!?

理由は、どうやら自分でも聞こえが悪いと自覚したからだと言うのです。

聞こえが悪いと自覚した理由そのものは母にもわからないそうで、私も祖母自身に余計な事を聞くのが恐ろしかったので分からずじまい。
それで結果はどうだったの? と聞くと、診断結果は思わぬものでした。

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