薄毛の治療薬。本当のところ効果はどのくらい?/抜け毛予防

薄毛の治療薬。本当のところ効果はどのくらい?/抜け毛予防 pixta_32866429_S.jpg抜け毛は自分とは関係ないと思い、特に気にせず生活していませんか? そんな方は要注意! 髪は抜け始める前からケアすることが重要なのです。特別なことは必要ありません。衣食住を中心とした生活習慣を根本から見直すだけで、数年後の未来の自分の髪に先行投資することができます。最新の科学的根拠をもとに知識を深め、薄毛にならないための生活を今から始めてみませんか。

抜け毛にまつわるさまざまな原因や治療法、ケアなどを薄毛治療の第一人者である岡嶋研二先生に伺います。

前の記事「クセ毛と直毛、剛毛と柔毛、薄毛になりやすいタイプは?/抜け毛予防(20)」はこちら。

 

飲む治療薬の種類と特徴を徹底解説!

男性型脱毛症(AGA)の治療薬は実にたくさんあります。一般的によく使われる治療薬を見ていきましょう。

●プロペシア(経口剤)
AGA治療薬の代表格で、「フィナステリド」という有効成分を含む内服薬です。これは、5αリダクターゼの働きを阻害し、男性ホルモンの一種である、DHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑えます。

●ザガーロ(経口剤)
2016年6月に販売が開始された新薬。ザガーロに含まれる有効成分「デュタステリド」はもともと前立腺肥大症の治療のために開発された有効成分ですが、デュタステリドは、フィナステリドよりも、強く5αリダクターゼを抑制する効果があるので、一般的なAGA治療のための内服薬として定着しつつあります。
ザガーロはプロペシアと似た働きをしますが、より強力な効き目を発揮するといわれています。

●ロゲイン(塗り薬)
ロゲインには「ミノキシジル」という有効成分が含まれており、発毛促進に効果があります。液体タイプや泡状タイプなどの種類があります。

●フィナステリド錠(経口剤)
プロペシアのジェネリック医薬品で、2015年に販売が開始されました。ただし新しい薬のため、医療機関によっては取り扱いがない場合もあります。

 
AGA治療薬は薄毛の進行を止める程度のものと心得てください

治療薬がどの程度の効果を発揮するかは、人によって違います。もちろん中には、治療薬を飲み続けて髪が劇的に増えたという方もいらっしゃるでしょう。しかし、全員にその効果が発揮されるとは限りません。特にプロペシアとザガーロは、5αリダクターゼの働きを阻害し、男性ホルモンの一種である、DHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑えるという薬です。つまり、髪を生やす薬ではなく、薄毛の進行を抑えるためのものなので、育毛を促進するほどの効果はありません。

 
一番のおすすめは唐辛子と大豆製品の摂取です

「治療薬で薄毛の進行を止めておきながら、あわせて行ってほしいのが、食事改善です。唐辛子はティースプーン1杯、豆腐は1/2丁、一度の食事に取り入れてみてください。両方を味噌汁に入れるというのもおすすめです。これをできれば1日2食、続けてください。知覚神経を刺激する唐辛子の辛味成分であるカプサイシンと、大豆の成分であるイソフラボンを同時に取ることで、IGF-1を増やし、眠っていた毛根を目覚めさせ、薄毛が改善するはずです」(岡嶋先生)

岡嶋先生が院長を努める名古屋Kクリニックでは、やはり、IGF-1を増やす、シベリアカラマツから抽出した成分「タキシフォリン」のサプリメントを、薄毛治療に用いています。

「唐辛子&大豆製品と組み合わせることで育毛促進効果があります。さらにタキシフォリンを加えると、特に女性の薄毛が高い確率で改善します。服用して1ヵ月で髪質がガラッと変わり、髪の毛が生えてきた症例も多くありますよ」(岡嶋先生)

 

次の記事「一緒にしてはダメ。薄毛の治療薬は女性と男性で異なります!/抜け毛予防(22)」はこちら。

取材・文/荒井さやか

薄毛の治療薬。本当のところ効果はどのくらい?/抜け毛予防
<教えてくれた人>
岡嶋研二(おかじま・けんじ)先生

1978年、熊本大学医学部卒業。1982年、熊本大学大学院医学研究科修了(医学博士取得)。日本学術振興会特定国派遣研究員としてウィーン大学医学部への留学、熊本大学医学部助教授、そして名古屋市立大学大学院医学研究科教授を経て、2012年4月、名古屋Kクリニックを開院。血液学を中心に研究を進め、育毛作用を有するインスリン様成長因子-1(IGF-1)を増やす新たな方法を見いだし、育毛効果を発揮する治療法の開発へと応用している。

 

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