つらい症状を何とかする「対症療法」にはデメリットもある?/やさしい家庭の医学

pixta_20444544_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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症状を和らげるための治療方法
「対症療法」

●「タイショリョウホウ」ではない!?
医師による病気の治療にはいくつかの方法がありますが、病気そのものの原因に対する治療ではなく、症状を和らげたり、なくしたりするために施される治療のことを「対症療法」と呼びます。

この用語について、読者の中には「対処療法」という誤った言葉で覚えている方もいるかもしれませんが、正しくは対症療法です。また、先述のように、病気の原因を治療によって治すことを「原因療法」と呼んでいます。
 
たとえば、発熱、せき、鼻水、下痢、便秘、動悸(どうき)、めまい、寒気などの比較的軽い症状から、がんによる痛み、狭心症、頭痛、腹痛、神経痛などの重い症状まで、これらに対して、まず最初に施される治療のほとんどは対症療法になります。
 
というのも、これらの症状には何らかの痛みが生じていますので、まずはその痛みを取り除くことが先決とされるからです。また、原因療法のように、問診のみによって症状の原因をすぐさま特定することは困難ですので、当面の治療方法として対症療法が採用されることになるわけです。
 
ただし、対症療法を受ける際であっても、患者さんは心しておかなければならないことがあります。たとえば熱が出るとしましょう。それを、解熱(げねつ)剤ざいを服用して抑えるという対症療法をするとします。それは熱を下げるという点では間違いではないのですが、熱というのは体にウイルスや細菌などの異物が入ったことに対する反応としてのものですので、それを薬剤を用いて治そうとすると、回復に時間がかかる可能性もあるということです。
 
また、出された薬剤による副作用も考慮しなければなりませんから、副作用を最小限に抑えるよう、ご自身で体の具合を管理する必要があるといえます。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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