「なんだか疲れやすくなった」「年々体力が落ちていく」など、疲れやすさを自覚している方は多いと思います。ですが、そもそも疲れとは何でしょう?そこで、疲労研究家で、大阪市大学大学院疲労医学講座特任教授である梶本修身先生に、最新の疲労科学研究で分かった、疲労の正体とともに、疲労を改善する生活習慣について伺ってみました。
前の記事「疲労の原因になる紫外線をシャットアウト! 正しい日焼け止めの塗り方/脳疲労(7)」はこちら。
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紫外線の特性を知って屋外はもちろん、屋内でも対策を
疲労の原因となる紫外線は、極力避けたいもの。ここでは、日常生活の中で、すぐにできる紫外線対策を紹介するので、実践してみましょう。
(1)サングラスで疲労を防ぐ!
紫外線疲れを防ぐには、サングラスが効果的。選ぶ際は、紫外線を99%以上カットできるものを。また、レンズと顔の 間から反射光や散乱光が入り込まないものを選びましょう。 紫外線カット機能付きのコンタクトを使っている場合は、 コンタクトレンズの上からサングラスをかけましょう。
(2) 日陰や屋内、 曇りでもご注意!
地上に届く紫外線のうち、UVA (※1)は肌の奥まで浸透しやすく、 それによる酸化ストレスがしわの原因に。UVB (※2)は浸透力は低めですが、表皮で活性酸素による酸化ストレスを起こし、 シミの発生を促します。曇りでもUVAの80%は地表に達します。ガラスも透過するので屋内でも対策が必須!
※1...UVAは地球に届く紫外線の約95%を占めます。波長が長く、肌の奥の真皮まで届きます。
※2...UVBは波長が短く、肌の表皮に届きます。多量に浴びると赤く炎症を起こします。
(3) 日傘は体に近づけて差します。
日傘は差し方によって効果に差が出ます。紫外線の散乱光を避けるには、体に近づけて、太陽に向けて差します。購入する際は、紫外線カット加工が施されたものを選びましょう。また、内側が白いものは、反射光や散乱光が日傘の中でも反射して余計な紫外線を浴びる原因となります。
(4) 帽子や長袖シャツなども活用を!
紫外線を避けるには、UVカット加工のされた帽子や長袖シャツ、手袋などを活用しましょう。UVAは、日差しがある間はずっと降り注いでいます。一日を通した紫外線対策を意識しましょう。ただし、紫外線対策を万全にするあまり、熱中症を起こすことがないよう気を付けましょう。
取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/黒崎 玄
梶本修身(かじもと・おさみ)先生
東京疲労・ 睡眠クリニック院長、医師・ 医学博士。大阪市立大学 大学院疲労医学講座特任教授。「産官学連携疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。著書の『すべての疲労は脳が原因』(集英社)は、 シリーズ累計18万部を超えるベストセラー。