「頭全体に痛みが起こる」「締め付け感がある」「鈍い痛みが現れる」「頭痛以外に吐き気などの症状は現れない」などの症状が特徴的な「緊張性頭痛」。その緩和や予防に効果的なのが「頭痛体操」です。北里大学医学部客員教授で、富士通クリニック頭痛外来の五十嵐久佳先生に、やり方を教えてもらいました。簡単にできるストレッチなので、ぜひこまめに行ってください。 「日常生活の改善や頭痛体操をしても症状が改善せずつらい場合は、かかりつけ医や、頭痛専門医がいる神経内科や頭痛外来などを受診することをおすすめします。医師の処方する頭痛治療薬を適切に使用するなどで、症状を改善していきます」(五十嵐先生)
また、くも膜下出血、髄膜炎、脳腫瘍など、命に関わる重大な病気の症状の一つとして、頭痛が起こることがあります。突然の頭痛や今までとは違う頭痛が起こったら、速やかに医療機関を受診してください。MRIなどの脳の検査によって、正しい診断と適切な治療を受けることが重要です。
前の記事:今すぐ治したい!頭痛(1)頭や首、肩の筋肉がこったり、張ったりする痛みは「緊張型頭痛」です
首の筋肉のストレッチ ▶▶▶ 首の筋肉のこりや張りを和らげる 2分間
ひじを軽く曲げて、腕を胸の前に持ってきます。
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両肩を腕ごと左右に交互に振ります。
いすに座ってもOK
(1)両足をそろえて、いすに座ります。
(2)顔は正面に向けたまま両肩を腕ごと左右に交互に振ります。
※いすは動かないものを使用し、平らで滑らない場所に置いて行いましょう。
※頸椎症など何らかの病気がある人は、体操やストレッチを行う前に、必ず主治医に相談してください。
(1)両足をそろえて、いすに座ります。
(2)顔は正面に向けたまま両肩を腕ごと左右に交互に振ります。
※いすは動かないものを使用し、平らで滑らない場所に置いて行いましょう。
※頸椎症など何らかの病気がある人は、体操やストレッチを行う前に、必ず主治医に相談してください。
肩を前後に回す ▶▶▶ 肩こりや張りを改善
前回し後ろ回しを交互に10回繰り返す
立った姿勢で足を肩幅に開き、ひじを軽く曲げます。座って行っても構いません。
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前に回すときは、リュックサックを背負うような感覚でゆっくり回します。
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後ろに回すときは、上着を脱ぐような感覚で回します。前回しと後ろ回しを交互に、10回程度繰り返します。
上半身を伸ばして左右に傾ける ▶▶▶ 背中や脇を伸ばす 10回繰り返す
両手を組んで、手のひらを天井に向け、頭の上で腕を大きく伸ばします。
いすの背もたれに沿うように、上半身を後ろに反らして、最初の姿勢に戻します。
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繰り返す
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ゆっくりと左右交互に1回ずつ傾けて、最初の姿勢に戻します。交互に10回繰り返します。
肩甲骨を伸ばして軟らかくする ▶▶▶ 首や肩の筋肉をほぐす 左右各3回
手のひらを下にして左腕を伸ばし、右腕を曲げて左腕のひじを引き寄せます。このとき顔は左へ向けます。
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左手の手のひらを上側へ返します。左腕がねじれて、左の肩甲骨が伸びるのを意識しましょう。
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さらに右腕で右側へねじるように強く左腕を引き寄せます。左腕の付け根、左肩、左の肩甲骨をしっかり伸ばします。右腕も同様に行いましょう。
次の記事:今すぐ治したい!頭痛(3)ズキンズキンと脈打つような頭の痛みは、「片頭痛」はこちら。
<教えてくれた人>
五十嵐久佳(いがらし・ひさか)先生
北里大学医学部客員教授、富士通クリニック頭痛外来。北里大学医学部卒業。専門は神経内科、特に頭痛の診断・治療。患者一人一人の症状に合った薬の使い方や対処法の指導に力を入れている。
五十嵐久佳(いがらし・ひさか)先生
北里大学医学部客員教授、富士通クリニック頭痛外来。北里大学医学部卒業。専門は神経内科、特に頭痛の診断・治療。患者一人一人の症状に合った薬の使い方や対処法の指導に力を入れている。