「頭皮がかゆい」状態は、外部の刺激や体質的な要因によって頭皮が乾燥したり、炎症を起こしたりしている場合がほとんど。以下の行動は症状を悪化させる可能性が高いので、かゆみがあるときは絶対NGです。
前の記事「「頭がかゆい!」それ、もしかして病気かも? 頭皮のかゆみの原因となる4つの病気(1)」はこちら。
●お風呂
お風呂で全身を温めると、血行が促進されることでかゆみがひどくなってしまいます。頭皮にかゆみが出ているときは、熱いお風呂につかるのは避け、ぬるめのシャワーで済ませて体温の上昇を防ぎましょう。
●染毛剤(ヘアカラー)や育毛剤
染毛剤や育毛剤は、多かれ少なかれ肌を刺激する成分を含んでいます。すでにかゆみやかぶれが出ている頭皮に、刺激を加えるのはやめましょう。より悪化して、症状がひどくなることがあります。
とはいえ、かゆみは突然やってくるもの。薬がない、病院も開いていない...でもかゆい! そんなときの応急処置としておすすめなのは、とにかく「冷やす」ことです。氷枕をタオルなどに包み、かゆい部分に当ててみてください。皮膚の温度が下がるにしたがって、かゆみがすっと落ち着きます。
「ステロイド」を怖がる必要はありません
病院での治療には、主にステロイド剤が用いられます。ステロイド剤と聞くと不安に感じる人も多いのですが、外用薬は塗った部分にだけ効果があるので、用法用量を守れば副作用は少なくなります。効果の高いステロイド剤で症状を早めに改善し、肌を正常な状態に戻すことが治療の重要なポイントです。
どのような場合も、眠れないほどかゆみが強くなったら迷わず病院で診察を受けてください。人間は、かゆみを我慢することはできません。ついかきむしって悪化させてしまう前に、適切な治療に取り掛かりましょう。
あなたの症状はどのタイプ?
「かゆみが気になるけど、いったい何が原因?」という自分の症状を下の表に当てはめてみましょう。症状の出る範囲も、病気によって変わってきます。
取材・文/高橋星羽(デコ)
根木 治(ねぎ・おさむ)先生
順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科 准教授兼医局長。日本皮膚科学会専門医。アトピー性皮膚炎のかゆみについての研究を行い、医学博士号を取得。千葉生物学的製剤乾癬治療研究会の世話人も務める。2015年より現職。