たまには「つながり」を断捨離しよう/鎌田實「だまされない」

pixta_21919085_S.jpgテレビやネットにあふれるあやしげな健康情報や社会の思い込み。あなたはいつのまにか信じてしまっていませんか?

だまされないでください。
医師にして作家である鎌田實が50年近く医療に携わることで気づいた、健康のための王道をまとめた書籍『だまされない』で、「健康で幸せに生きるという目標」を達成するための技術を身に付けましょう。

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メモ帳をあえて使い始めた

スマートフォンの計算機能によって、紙と鉛筆で計算したり、暗算したりすることが少なくなりました。あえて紙と鉛筆で計算することが大事なのです。また、あえて漢字を書く練習をすることが、デジタル認知症の予防には大事なのです。

手帳を使っている人は、できるだけ使い続けましょう。スケジュール管理だけではなく、おいしいものを食べたとき、おもしろい小噺(こばなし)を聞いたとき、本を読んだときの感動や、心を揺さぶられた言葉を書き留めて、何度も見て覚えるのです。

仕事や友達との会話にこのメモした言葉を上手に使うと、脳機能がアップしていきます。書くこと、話すことが大事なのです。

僕の場合、映画のタイトルや俳優の名前が出てこないときは、グーグルで調べてメモします。いつもメモ帳を持っているのです。それをときどき見て覚えるようにします。ときどき口にも出します。覚えたと思ったら、メモを消します。

テレビの生放送でどんな質問が来てもいいようにしています。1万人が入るホールで講演もします。いつでも的確な言葉が出るように、記憶の中枢、海馬に刺激を与えています。

まるで学校に入りたての子供が学ぶことを、改めて大人になってやらなければならない、とも言えるのではないでしょうか。現代技術の粋(すい)がもたらす知恵の結晶スマートフォン。そんな代物(しろもの)が、まさか子供のやることを大人に強いるとは──。なんとも皮肉なものです。

 

つながりの断捨離

もちろんスマートフォンにはいい面もたくさんある。検索エンジンを使えば重たい辞書を引かなくても、すぐにいろいろな情報を集めることができます。

僕はLINEもやっていますが、LINEでつながっている人はTBSラジオ「おはよう一直線」のパーソナリティーである生島ヒロシさんだけです。生島さんと羽田空港で偶然一緒になって、LINEの登録の仕方を教えてもらいました。生島さんからときどき、ビキニ姿の女性の写真が送られてくるので、「幸せをありがとう」などと返事をします。

それはともかく、さらにつながりを増やそう、とはいまのところ思っていません。それどころか、iPhoneの機種を変えるときには電話番号も変えるようにしています。つながりの断捨離をしているわけです。新聞社や出版社、放送局はときどき僕を探し回るようですが、たまにつながりの断捨離をして、「つながり病」にならないようにしています。

 

※『毎日が発見』本誌に連載した記事はこちら

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鎌田 實(かまた・みのる)さん
鎌田 實(かまた・みのる)

1948年東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県茅野市の諏訪中央病院医師として、患者の心のケアまで含めた地域一体型の医療に携わり、長野県を健康長寿県に導いた。1988年に同病院院長に、2005年から名誉院長に就任。また1991年からチェルノブイリ事故被災者の救援活動を開始し、2004年からはイラクへの医療支援も開始。4つの小児病院へ毎月400万円分の薬を送り続けている。著書に『がんばらない』『あきらめない』『なげださない』ほか多数。

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『だまされない』
(鎌田 實/KADOKAWA)

社会は人をだます。人も自分をだます。実は自分の身体すらも自分をだましにかかってくる。そんな環境に生きながらも、幸せに生きるためにはなにを知るべきか、どうすべきか、どう考えるべきか。医師にして作家である鎌田實が、その答えに迫ります。健康問題から社会問題まで、翻弄される人々の目覚めを促す言葉の劇薬!

この記事は書籍『だまされない』からの抜粋です

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