「スマートフォン奴隷」になりやすいのはこんなタイプ/鎌田實「だまされない」

「スマートフォン奴隷」になりやすいのはこんなタイプ/鎌田實「だまされない」 pixta_32911811_S.jpgテレビやネットにあふれるあやしげな健康情報や社会の思い込み。あなたはいつのまにか信じてしまっていませんか?

だまされないでください。
医師にして作家である鎌田實が50年近く医療に携わることで気づいた、健康のための王道をまとめた書籍『だまされない』で、「健康で幸せに生きるという目標」を達成するための技術を身に付けましょう。

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前の記事「「食べる」「観る」「読む」は自分の感覚で決めよう/鎌田實「だまされない」」はこちら。

 

スマートフォン奴隷になりやすいタイプ

スマートフォン依存症になりやすい性格に関するおもしろい研究があります。レバノン大学の研究で、688人の大学生を対象にスマートフォン依存症になりやすい性格を分析した結果、心理学でいう「タイプA」の性格が最も依存症になりやすいことが明らかになったのです。タイプAの性格とは、ストレスを受けている自覚が薄く、攻撃的、機敏、せっかちなのが特徴で、心筋梗塞や脳梗塞になる人が多いと言われています。

このタイプの人が強いストレスや不安を感じて、気分が低下したとき、ストレスに対処するメカニズムや気分がコントロール不良になって、スマートフォンに依存しやすいことが判明しました。スマートフォンに依存するのは、タバコや麻薬などと同じメカニズムです。スマートフォンを使っているときに分泌されるドーパミンの快感を味わっているうちに、スマートフォンにどんどんおぼれてしまうのです。

 

デジタル認知症の恐怖

この状態が続くと、次第に集中力、記憶力、思考力が低下して、認知症のような状態に陥る危険性がある。この症状は、ドイツの精神科医マンフレッド・シュピッツアーの著書のタイトルから引用された「デジタル認知症」という言葉で知られるようになりました。40代以降の働き盛り世代に多く見られることで注目を集めています。いままではメモをとったり、覚えておかなければと強く意識したりして、記憶をつかさどる脳の海馬(かいば)という器官を働かせてきました。

ところがスマートフォンに頼りすぎると、すぐにインターネットで検索ができるため、調べたことを強く記憶しておこうという気にならなくなります。これを繰り返していくうちに、記憶の中枢の海馬が衰えてしまうのです。初めのうちは本当の認知症と比べると軽い症状なのですが、専門家に言わせると、デジタル認知症の14%が、本物の若年性認知症になっていくそうです。

デジタル認知症になると、記憶力や注意力、計算力が落ちていきます。

 

※『毎日が発見』本誌に連載した記事はこちら

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「スマートフォン奴隷」になりやすいのはこんなタイプ/鎌田實「だまされない」 鎌田 實(かまた・みのる)さん
鎌田 實(かまた・みのる)

1948年東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県茅野市の諏訪中央病院医師として、患者の心のケアまで含めた地域一体型の医療に携わり、長野県を健康長寿県に導いた。1988年に同病院院長に、2005年から名誉院長に就任。また1991年からチェルノブイリ事故被災者の救援活動を開始し、2004年からはイラクへの医療支援も開始。4つの小児病院へ毎月400万円分の薬を送り続けている。著書に『がんばらない』『あきらめない』『なげださない』ほか多数。

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『だまされない』
(鎌田 實/KADOKAWA)

社会は人をだます。人も自分をだます。実は自分の身体すらも自分をだましにかかってくる。そんな環境に生きながらも、幸せに生きるためにはなにを知るべきか、どうすべきか、どう考えるべきか。医師にして作家である鎌田實が、その答えに迫ります。健康問題から社会問題まで、翻弄される人々の目覚めを促す言葉の劇薬!

 

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この記事は書籍『だまされない』からの抜粋です

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