救急車って呼んでいいの? ぎっくり腰になったときの対処法/ぎっくり腰(5)

pixta_1340703_S.jpg腰痛は多くの日本人を悩ませている病気で、その有訴者率(自覚症状のある人の割合)は男性で1位、女性で2位を占め、年齢が高いほど有訴者率も上がります(平成25年国民生活基礎調査)。それほど腰痛は身近な悩みなのです。

ヨーロッパでは"魔女の一撃"と言われる「ぎっくり腰」。個人差はありますが、何かの拍子で腰に"グキッ"とした痛みが走り、直後は日常生活もままならないことも。
この痛み、どのように対処したらいいのでしょう。予防法はあるのでしょうか。そこで日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科名誉指導医でもある東京都立多摩総合医療センター院長の近藤泰児先生にお話を伺いました。今回はその5回目です。

前の記事「ぎっくり腰だと思ったけれど...病院を受診すべき症状とは?/ぎっくり腰(4)」はこちら。

 

発症直後は安静に。鎮痛剤の活用も

ぎっくり腰は何らかの動作がきっかけで、急激な痛みを起こします。場合によっては動けなくなるほどの強い痛みが走ることも。そんなときはどうしたら良いでしょう?

◆発症直後は安静にしましょう
まず、その場で痛みが多少引くまで"安静にする"のがいちばんです。
もし外出先で発症したなら、安全な場所で痛みが和らぐまでじっとしていましょう。近くにベンチがある場合は、ベンチで横になっても良いでしょう。

外出先で1人きりで歩行困難な場合は、「急な腰痛で動けなくなりました」と救急車を呼んでもかまいません。特に高齢者は、骨粗しょう症が原因で圧迫骨折や椎体骨折をしている可能性もあります。その場合は速やかに治療した方が治癒する確率は高くなります。

◆痛みが強い場合は、鎮痛剤を飲みましょう
痛みが強いときは鎮痛剤を飲みましょう。頭痛薬や解熱剤など市販薬でかまいません。記載されている効能を確認してください。

また、湿布薬には痛みを抑える成分が含まれているものが多いので、筋肉の疲労や損傷が原因のぎっくり腰であれば湿布薬も有効と考えられます。湿布薬は、発症直後は冷湿布を、痛みが落ち着いてからは温湿布を使うのが一般的です。冷やすこと自体に治癒効果があるという科学的根拠はありませんが、湿布薬を貼る方が腰が楽になったと感じるのであれば、ストレス緩和の面でも悪くないでしょう。

◆できる範囲で日常生活を送りましょう
安静にし過ぎると、腰痛が長引くという報告があります。長い時間横になって休むなどの厳密な安静をとる必要はなく、痛みが増強しない程度に日常動作を行ってかまいません。ただし、ある程度の痛みが続いている場合には、腰に負担のかかる運動やスポーツは控えましょう。特に野球やゴルフなど腰をひねる動作を含むものは注意が必要です。痛みが楽になってきたら、体幹ストレッチなどは行ってもよいでしょう。

◆寝るときは横向きがおすすめです
寝転がるときは横向きがおすすめです。起き上がるときに腰に負担がかからないよう、腕の力で起き上がることができるからです。脚を曲げ、ひざの間にクッションなどを挟み、自分にとって楽な姿勢を取りましょう。

ぎっくり腰は通常、2~3日で強い痛みは改善します。痛みがどんどん強くなる、2~3週間たっても痛みが引かない、といった場合は他の病気の恐れがありますので、医療機関を受診しましょう。

  

次の記事「ぎっくり腰はクセになる。その原因はストレスでした/ぎっくり腰(6)」はこちら。

取材・文/ほなみかおり

<教えてくれた人>
近藤泰児(こんどう・たいじ)先生

東京都立多摩総合医療センター院長、日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科名誉指導医、日本整形外科学会認定専門医・認定脊椎脊髄病医。1979年東京大学医学部卒業。都立駒込病院整形外科骨軟部腫瘍外科部長、東京都立府中病院(当時)副院長などを経て、2013年より現職。著書に『腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症 正しい治療がわかる本』(法研)、『わかる!治す!防ぐ! いちばんやさしい腰痛の教科書』(アーク出版)など。

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