「今怒っているな...」自分の心の状態を言葉で確認して心を整理整頓!/これも修行のうち。

pixta_32078747_S.jpg人間関係、失敗、病気、心配事......生きていれば必ず起こるあらゆるツライことを「上手に消す」心の習慣とは? それは「これも修行のうち」と捉えてみること。

「不安」も「怒り」もすべて妄想だったと気づけるプチ修行の方法を本書『これも修行のうち。』から学びましょう。

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前の記事「仕事を始める前の「30秒座禅」で集中力アップ!/これも修行のうち。(8)」はこちら。

 

ラベリング――"言葉で確認"を習慣に

サティの力を高める上で役に立つのが"ラベリング"――つまり「言葉による確認」です。

たとえば、服を着るときは、「今から服を着ます」「今、服を着ています」「今、服を着終わりました」と、ひとつずつ動作を確認します。

もう少し細かく、「ハンガーを下ろす」「服を外す」「腕を通す」「ボタンをかける」と、ひとつずつの動作を確認することも有効です。ただ、神経質になる(細かく確認しすぎる)必要はありません。「今、何をしているか」をはっきり意識することがポイントです。

このラベリングの目的は、サティの力を強化することです。というのは、ほとんどの人は、いつも反応――妄想や怒りの感情など――でアタマが一杯なので、自分の心の状態に気づく(サティする)ことが、うまくできません。だから「言葉による確認」によって、意識をムダな反応に取られないように"歯止めをかける"のです。駅員さんが「右よし、左よし」と指さし確認しているのと同じです。

 

ラベリングで心を「整理整頓」

この"言葉による確認"を「自分の心」についても行います。たとえば、

○怒りを感じているときは、「怒りの感情がある」と確認します。
○イヤな過去を思い出してしまうときは、「記憶を思い出している」と確認します。
○緊張しているときは、「緊張している」と確認します。

カギとなるのは、感覚であれ、感情、記憶、妄想であれ、「客観的に言葉で確認する」ように努めることです。

「確認用」の言葉は、あらかじめストックしておくとよいでしょう。本書で紹介した「感覚・感情・思考・意欲」もひとつだし、「怒り・欲・妄想・慢」もひとつ。「言葉で確認する」ことが目的なので、自分なりの言葉でもかまいません。

 

「心の指さし確認」で人生に迷わない

この「言葉による確認」は、意識をムダな反応に奪われず、目の前の大事なモノゴトや人生の目的に集中するためにも、役に立ちます。

人の心は、ついムダな反応に走ってしまって、小さなことに腹を立てたり、余計な妄想をしたりします。「またやってしまった」と後悔したり「なんでわたしはいつもこうなんだ」と落ち込んだり。「あれ、何をやろうとしてたんだっけ?」と最初の目的を忘れていることも、正直よくある話です。

だからこそ、「心の指さし確認」を心がけるようにします。「今からこれをやります」と宣言して、作業に集中する。「今から駅に向かいます」と確認して、歩くことに集中する。その間に「あ、新しいお店ができたんだ」と"反応"したりしますが、そのときこそ「あ、反応した」と気づくようにしてください(ここが修行の正念場です)。

反応した、と気づいた上で、「お店を覗きます」と自己確認して、お店覗きに集中するならOKです。それは「気づきの修行」が身についてきたということです(拍手)。

 

●「今しなければならないこと」に心を注ぐ

このサティとラベリングは、気づきの力を育てる"車の両輪"みたいなものです。サティは、とことん細かく意識すること。ラベリングは、言葉で大まかに確かめること。いずれも、ムダな反応に流されず、今しなければいけないことに心を注ぐための練習の基本です。

毎日体を手入れして清潔に保つように、心も日々整えて、クリーンに保ちたいと思いませんか。そのために、歯磨き、お風呂と同じように、気づきの修行――サティとラベリング――を実践しましょう。

 

次の記事「実践!毎日できる"感覚のプチ修行"リスト/これも修行のうち。(10)」は近日公開。

草薙 龍瞬(くさなぎ・りゅうしゅん)

僧侶、興道の里代表。1969年、奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている。著書に『悩んで動けない人が一歩踏み出せる方法』(WAVE出版)、『独学でも東大に行けた超合理的勉強法』(サンマーク出版)、『消したくても消えない「雑念」がスーッと消える本』(大和出版)がある。

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『これも修行のうち。』
草薙龍瞬/ KADOKAWA)

人間関係、失敗、病気、心配事......あらゆるツライことを「上手に消す」心の習慣があります。それは、「これも修行のうち」と捉えてみること。イヤなことは「自分を磨く」ツールになる。ベストセラー『反応しない練習』の著者が教える、日常生活、仕事で使えるプチ修行50!

『これも修行のうち。』

 

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この記事は書籍『これも修行のうち。』からの抜粋です
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