子どもが怪我や病気をしたらどう対応すれば良いでしょうか。すぐに救急? かかりつけ医でOK? わからないことばかりで不安を抱えているパパ・ママも多いはず。そこで今回は小児科医が書いた「ママ・パパ向け 家庭の医学」である『行列のできる子ども健康相談室 0~10歳児の病気とケガのおうちケア』を紹介します。著者は「たけつな小児科クリニック院長」で、年間約3万人の子どもを診る小児科医・竹綱庸仁先生。子育ての不安を解消するアドバイスが満載の本書から、内容を抜粋してお届けします。
※本記事は竹綱庸仁 著の書籍『行列のできる子ども健康相談室』から一部抜粋・編集しました。
【前回】「手足口病」「ヘルパンギーナ」流行のピークは夏! 小児科医に聞く「症状」と「正しい対応」
薬のお悩み相談室
まだ離乳食の子に薬を飲ませるのって、どうやるの? 嫌がったらどうするの? そんな、薬の飲ませ方についての、よくあるお悩みにお答えします。薬と一緒にばい菌まで飲ませては大変なので、薬をあげる前は必ず手洗いを!
Q.内服薬と座薬の使い方を教えてください!
A.粉薬は......
そのままでは飲めないので、嫌がらずに飲ませる工夫が必要です。少量の水で練ってかたまりにし、子どもの口の中、上あごや頬の裏側に貼りつけます。嫌がるようであれば、市販の服薬ゼリーに混ぜてもいいでしょう。
A.水薬(シロップ)は......
甘みがついているので、赤ちゃんも嫌がることなく飲んでくれます。1回の指定量を守り、スポイトに入れてゆっくりと流し込みます。そのほか、乳児であれば、哺乳瓶の乳首に入れる、離乳食以降であれば、パンなどに浸してもいいでしょう。甘くて飲みにくいようなら、水やジュースで薄めても大丈夫です。
A.座薬は......
座薬は薬の成分が腸から直接吸収されるので、効き目が早いのが特徴です。指定された量(半分、2/3量など)をカッターなどで切って使用します。残った薬は捨てます。お尻に入れるときは、怖がらずに肛門の奥まで挿し入れましょう。座薬を入れたら、しばらく肛
門に蓋をするように指で押さえ、薬が出てしまうのを防ぎます。
Q.内服薬と座薬の保管方法は?
A.内服薬は常温で。座薬は冷蔵庫へ
内服薬は、原則常温保存で大丈夫です。粉薬は湿気で固まる可能性があるので、金属の缶にシリカゲルなどの除湿剤を入れたところで保管することをおすすめします。座薬を冷蔵庫で保管する目的は、肛門に入れやすくするためです。熱で溶ける可能性があるので、冷やすことでそれを防ぎます。
【余った薬を「もしも」のとき用にとっておいていい?】
子どもの薬の場合、年齢に応じて容量が違うことがあります。また、使用期限もさまざまなので、余った薬を次回飲ませることは控えましょう。薬が余ったら、処方してもらった調剤薬局に相談してもよいでしょう。
《教えて! たけつな先生》
薬はなにかに混ぜて飲んでもいいですか?
薬は飲むことによってはじめて効果が出るため、飲めなければ本末転倒です。よく家族から薬はなにかに混ぜてもいいかという質問をいただきますが、風邪などで出る薬に関してはなにに混ぜても差し支えないことがほとんどです。味の薄いイオン水などでは苦みをやわらげることが難しいときもあり、私はアレルギーや下痢などの胃腸症状がなければ、練乳やチョコレートに混ぜて飲むことをおすすめしています。
イラスト/堀川直子