食事も、スポーツも。歳を取るほど自分が接するもののレベルを上げていく

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「すぐにイライラしてしまう」「なんとなくモヤモヤする」...そんな「負の感情」との付き合い方に悩んでいませんか? 
年齢を重ねれば誰もが感情のコントロールが難しくなるもの。「負の感情」をコントロールし、スッキリ生き生きと生きるために、脳科学や心理学の知見によって得られた効果のある実践的な方法を、書籍『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』から学んでいきましょう。

前の記事「感情は押し殺さない。うまくコントロールすることが必要/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(30)」はこちら。

テレビの情報を鵜呑みにしない

意欲の低下は、さらなる意欲の低下を招くので警戒しなければなりません。意欲が低下すると、行動が主体的ではなく受動的なものになりやすくなっていきます。受動的な行動の最たるものがテレビではないでしょうか。

テレビは自分で情報を得るために自ら行動するというよりは、流れているものを受け取るという受動的な側面が強いメディアです。テレビに対しては番組を選ぶくらいしか主体的に行動することはなく、あとは流れているものを一方的に見聞きするだけです。

テレビも使いようで、流れている情報を批判的に見るという態度があればいいのですが、鵜呑みにしている場合のほうが多いものです。それは人間は答えが決まっている状態の方が心理的にラクなのではないか、すなわち「考え不精(ぶしょう)」といわれる状態になりやすい生き物なのではないかということがいえます。

鵜呑みにしてしまう人もいれば、なんでも「テレビ番組の内容はくだらない」と切って捨てて、ニュース番組しか見ないという中高年もいます。これはこれで、「考え不精」に陥っているといえます。

このように言う人は、「テレビ番組はかくあるべし」という持論から抜け出せないでいるのです。「世の中にはこういう物の見方があるのだな」という柔軟な発想ができていないということでしょう。一つの決まった答えを求めようとしないで、いろいろな説があっていいのだというふうに見ればいいのです。それが脳の働きを促すからです。

いろいろな考えや知識を受け入れればいいというのも、簡単なようで歳をとるほど難しくなるものです。

実は、歳をとればとるほど人生経験が増えてきますから、多少のことでは驚きませんし、前頭葉が萎縮してきますから、若い頃のように「箸が転んでもおかしい」なんてことはだんだんなくなってきます。面白いと感じられるものが少なくなる分、それが脳に入っていきにくくなるのです。

しかし、本当におもしろいものなら歳をとっても笑えます。

お笑いでもその他の芸でも受け取る側の感性は、歳をとればとるほど鈍くなりますから、それだけハイレベルなもの、つまりより強い刺激に触れないと感動できなくなっていくのです。

食事なら食事、美術品なら美術品、スポーツならスポーツで、それぞれ自分が接するもののレベルを上げていくことです。レベルの高いものほど脳への刺激が強く、人を感動させることができます。刺激のレベルを上げることで、前頭葉を働かせ、新たな知識の入力を容易にしていけるのです。

そこで少しはお金も使って、若者とは一味違った大人の楽しみを見つけてみてはどうでしょうか。

 

次の記事「白か黒かではなく"グレー"。「あいまいさ」を理解しようとする心が問われる時代に/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(32)」はこちら。

  

和田秀樹(わだ・ひでき) 

1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。

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『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』

(和田秀樹/KADOKAWA)

感情の不調は"脳"で治す! 医師にしてベストセラー作家が教える、誰でもできる習慣術。「笑い」を解放することが前頭葉を刺激する、「"こだわり"にこだわらない」がポイント、競輪競馬やゴルフ、マラソンの向上心は脳にいいなど、脳科学や心理学の知見によって得られた「効果のある」「実践的な方法」を一挙に紹介!

この記事は書籍 『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』からの抜粋です
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