65歳から「加齢性難聴」が増加! 医師が教える、聴力を保つための「生活習慣」とは

か行、さ行、は行が聞き分けにくかったり、会話が聞き取りにくかったり、かみ合わなかったり...。もしかしたらその症状は、65歳から増加する「加齢性難聴」かもしれません。今回は、川越耳科学クリニック院長の坂田英明(さかた・ひであき)先生に、「聴力を保つための生活習慣」を教えてもらいました。

【前回】65歳から増加する「加齢性難聴」セルフチェック。放置すると高まる「リスク」についても解説

聴力を保つための生活習慣

1.紫外線を避ける

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過度な紫外線を浴びると、その害から体を守ろうとして体内で活性酸素が作られます。活性酸素は体をさびつかせる老化のもとで、加齢性難聴の誘因となる遺伝子を活性化させます。日傘や日焼け止めクリームを忘れずに。

2.騒音にさらされない

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大きな音や音圧(音による圧力)は、内耳を傷つけ、音の振動を脳に送る有毛細胞にダメージを与えます。常に大きな音がするパチンコ店のほか、ヘッドホンやイヤホンで長時間大音量の音楽などを聴くことは避けて。

3.血圧や血糖値を上げない

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内耳の血管は非常に細く繊細。血行不良や血管障害で栄養や酸素が届きにくくなると、すぐに影響を受け、正常に機能しなくなります。動脈硬化や高血圧のほか、女性の場合は低血圧や代謝不良の人も多いので十分注意を。

4.適度な運動をする

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血流障害は難聴の大敵です。血流を良くし、血液を体中に行き渡らせるためには、日々体
を動かし、ウォーキングなど適度な運動をすることが必要です。日々の習慣として取り入れてみましょう。

5.余分な薬を見直す

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服用している薬が多い人は、主治医と相談してなるべく整理しましょう。体質によっては抗結核薬、鎮痛剤、利尿薬などの薬の副作用から難聴を引き起こすこともあります。耳鼻科で定期的に検査を受けることも大切。

6.起床、食事、就寝の時間を決める

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自律神経の乱れから難聴になることもあります。生活のリズムを整えるために、まずは起床・就寝・朝昼晩の食事の時間のズレを15分以内に収めるように意識を。就寝前に38~40度の湯でゆっくり半身浴をするのもおすすめです。

7.座りっぱなしは×

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座りっぱなしの姿勢は血液やリンパの流れを悪くします。内耳はリンパ液で満たされているので、当然耳の中も影響を受け、有毛細胞の働きを弱める原因に。「耳スクワット」のほか、ふくらはぎのマッサージも効果的。

8.暴飲暴食をしない

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食べ過ぎ、飲み過ぎは動脈硬化や高血圧を悪化させ、血流の低下を招きます。また、カフェ
インを含むコーヒーや紅茶、緑茶などは1日1~2杯程度に、スパイスなどの刺激物も控えめ
に。寝る3時間前には夕食を終えましょう。

9.抗酸化作用や血流促進効果がある食品を摂る

【抗酸化作用のある食品】

黒すりごま

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ごまは抗酸化作用を促す亜鉛を多く含む食品。特に坂田先生は黒すりごまを推奨。「おひたしや白飯など何にでもかけるといいですよ」

いちご

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コラーゲンを生成して血管を強くし、抗酸化作用を持つビタミンC。いちごのほか、キウイフルーツ、ブロッコリーなどにも豊富。

ほうれん草

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ほうれん草など緑黄色野菜に多く含まれるビタミンEは、抗酸化作用が高い栄養素。血管を健康的に保ち、動脈硬化の予防に不可欠。

【血流促進効果がある食品】

青魚

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いわしやさば、さんま、あじなどに含まれる不飽和脂肪酸DHAはコレステロール減少など、同じくEPAには血流を良くする働きがあります。

納豆

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納豆に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」には血栓(血の塊)を溶かす働きがあるといわれ、血液さらさら効果が期待できます。

海藻

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昆布やわかめ、ひじきなどの海藻類に含まれる水溶性食物繊維「アルギン酸」が、コレステロールの吸収を妨げ、動脈硬化を防ぎます。

取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/サノマキコ

 

<教えてくれた人>

川越耳科学クリニック院長
坂田英明(さかた・ひであき)先生

埼玉医科大学卒業。帝京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科助手、ドイツ・マグデブルク大学耳鼻咽喉科などを経て2015年より現職。著書に『あぶない! 聞こえの悪さがボケの始まり「 耳」を知る、治す、鍛える』など。

この記事は『毎日が発見』2022年6月号に掲載の情報です。

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