知らない分野の話を無批判に受け入れるのは前頭葉機能の衰えから/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(17)

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「すぐにイライラしてしまう」「なんとなくモヤモヤする」...そんな「負の感情」との付き合い方に悩んでいませんか? 
年齢を重ねれば誰もが感情のコントロールが難しくなるもの。「負の感情」をコントロールし、スッキリ生き生きと生きるために、脳科学や心理学の知見によって得られた効果のある実践的な方法を、書籍『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』から学んでいきましょう。

前の記事「脳の柔軟性が失われると自説と違う意見に耳を貸さなくなる/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(16)」はこちら。

知らないことは無批判に受け入れてしまう

前頭葉機能が衰えてくると、知っていることには耳を貸さない一方で、知らない分野の話は無批判に受け入れることもあります。
一般的に人は、器の大きいおおらかな大人になろうと考えますから、そうした理由もあって物分かりがよくなるのです。もちろん器の大きい人になるのが好ましくないとはいいません。しかし、単に物分かりがいいだけという人と思われるのも考えものです。

会話や議論の中で、「うんうん、その通りだ」と考えているときよりは、「本当にそうかな。それは違うんじゃないか」と考えているときのほうが、前頭葉が活発に働くことがわかっています。
たとえば、テレビで人気のジャーナリストがニュースを解説しているのを見て、「そうだったのか」と納得しているときには、前頭葉はあまり使われていませんが、「それはおかしいのではないか」と別の説を考えているときには前頭葉が働くのです。

年長者として若者から物分かりがいいと思われたいと思うときには、反論しようと頭を使うことがないわけですから、前頭葉も活性化しません。しかし、若者が屁理屈まがいの反論をつきつけてきたときに、それに対してさらなる反論を考えるのであれば、前頭葉はある程度活性化するわけです。

基本的には、ルーティンワーク(日常の仕事)をするために相手のいうことを理解するだけであれば問題ないのですが、これまで経験のないような問題を考えることは、本人の知的発達のためにいい影響をもたらしてくれます。
自分がよく知らない分野の話であっても、決して相手の話を鵜呑みにすることなく、本当にそうだろうか、果たしてそれは正しいのだろうかという考えをもつことが大切です。

 

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和田秀樹(わだ・ひでき) 

1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。

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『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』

(和田秀樹/KADOKAWA)

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この記事は書籍 『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』からの抜粋です

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