脳の柔軟性が失われると自説と違う意見に耳を貸さなくなる/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(16)

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「すぐにイライラしてしまう」「なんとなくモヤモヤする」...そんな「負の感情」との付き合い方に悩んでいませんか? 
年齢を重ねれば誰もが感情のコントロールが難しくなるもの。「負の感情」をコントロールし、スッキリ生き生きと生きるために、脳科学や心理学の知見によって得られた効果のある実践的な方法を、書籍『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』から学んでいきましょう。

前の記事「高血圧=脳卒中という考え方に縛られている日本人/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(15)」はこちら。

知っていることについて他の説を受け入れない

「頑固ジジイ」というのは前頭葉機能の衰えによって出てくる特徴が具現化した存在と考えられます。

前頭葉機能が衰えて脳の柔軟性が衰えてくると、他の人の意見を受け入れ難くなってくるのです。これが高じると、「頑固ジジイ」になってしまうのです。
他人がする、自分が長年やってきた仕事に関することや、自分が詳しいと思っている分野の話に新たに興味を持てなくなってくるのです。「そんなのは自明のことだ」「当たり前だ」と思うことが多くなります。

ましてや自説と違う意見には耳を貸さなくなってしまいます。「何もわかってないやつが何を言っとる」と、高みから否定してしまいます。これも脳の柔軟性が失われているためです。
創業者と息子の2代目社長との仲がうまくいかないのも、双方の脳の柔軟性が失われているからかもしれません。

前頭葉機能が高ければ、脳は物事を柔軟にとらえられます。自分が熟知している分野の話題であっても、フムフムと興味をもって聞くことができ、そのなかからわずかな違いを見出して、「そういう見方もあるか」という発見をすることもできます。

自説とは違う説に接したときも、「もしかしたらそういう考え方のほうが正しいのではないか」と考えることができるのです。自分の頭で考えることができていれば、そのように自説を絶対のものと考えるのではなく、暫定的なものとしてとらえることができます。人は年をとっていくと、考え方もしだいに変遷していくのが自然ですが、何十年も同じ説に固執しているという場合は注意が必要です。

年齢を重ねると、どうしても人から軽んじられたくないという思いが強くなり、自説を曲げることが難しくなってくるのですが、それがあまりにも過ぎると「頑固ジジイ」になってしまいます。

 

次の記事「知らない分野の話を無批判に受け入れるのは前頭葉機能の衰えから/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(17)」はこちら。

和田秀樹(わだ・ひでき) 

1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。

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『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』

(和田秀樹/KADOKAWA)

感情の不調は"脳"で治す! 医師にしてベストセラー作家が教える、誰でもできる習慣術。「笑い」を解放することが前頭葉を刺激する、「"こだわり"にこだわらない」がポイント、競輪競馬やゴルフ、マラソンの向上心は脳にいいなど、脳科学や心理学の知見によって得られた「効果のある」「実践的な方法」を一挙に紹介!

この記事は書籍 『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』からの抜粋です

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