めまい・ふらつきは寝ていては治らない!? 克服の鍵は訓練にあり/めまい・ふらつきの治し方

めまいの症状にはいろいろあります

目と耳は脳を介して神経でつながっています。

ここで言う耳とは、「聞こえるかどうか」ではなく、「バランス(前庭)」のこと。

目がグルグル回っているときも、目が悪いのではなく、耳(前庭)に問題があるのです。

耳の不調は、(A)目、(B)自律神経、(C)脊髄の反射経路に影響を与え、さまざまなめまいの症状となってあらわれます。

ほとんどのめまいは時間が経てば治まります。

ただし、舌がもつれて話しにくい、視界が暗くなるなどの症状がある場合は、医療機関で検査をしてください。

脳疾患の可能性があるかもしれません。


めまいの主な症状

(A)目に症状が出る(前庭眼反射)
 □グルグルと天井が回る、流れて見える
 □物がブレて見える、波打って見える

(B)自律神経に症状が出る(前庭自律反射)
 □吐き気がある、嘔吐する
 □血圧が上がる
 □寒気、悪寒がある
 □あぶら汗、冷や汗が出る

(C)特に耳周りの筋肉に症状が出る(前庭脊髄反射)
 □肩こりがある
 □後頭部に頭痛がある
 □ふらついてまっすぐ歩けない
 □体が横に引っ張られる

※(B)・(C) は 前兆の場合もある。


頭痛・肩こり・吐き気はめまいの三兄弟

めまいと肩こりは切っても切れない関係です。

めまいが起きると、前庭脊髄反射の関係で、肩こりと後頭部頭痛が必ず出てきます。

そして、内耳の前庭(バランス)の左右差を治さないと、めまいに伴う肩こりは改善しません。

この肩こりと同じ結果が、歩くと左右どちらかに体が引っ張られる=傾くことです。

これらは前庭が異常で、前庭脊髄反射が病的な情報を骨格筋に伝え、全身の骨格筋の左右差を生じているせいで起こります。

吐き気も、同じく、めまいによる前庭自律反射の影響です。

めまいを繰り返すと前兆がわかるようになります

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めまいに悩む患者さんの多くが、何かしらの前兆を体験しています。

上記(B)・(C)にあるようなめまいの症状を感じたら、無理をして外出はしないこと。

めまいの症状が人それぞれなように、それが前兆の人もいます。

外出先でめまいの症状が出た場合は、周囲の人に声をかけて横になれる場所に連れて行ってもらいましょう。

自宅でめまいになったときは、暗い場所で安静にしてください。

衣服をゆるめ、楽だと感じる側で横向きに。

上向きだと嘔吐したときに吐いたものが喉につまる恐れがあります。

少し落ち着いた時点で、処方薬や酔い止めの薬を飲んで様子をみてください。

また、めまいの起きた日付を記録しておくのもおすすめです。

記録を見返すと、どんなときにめまいが起こるのか時期もわかり、めまいの悪化を回避することができます。

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「グルグル目が回る」「振り向くときクラっとする」「フラついて歩けない」などのつらい症状を改善できます。

 

新井基洋(あらい・もとひろ)
1964年、埼玉県生まれ。横浜市立みなと赤十字病院めまい平衡神経科部長。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医、日本めまい平衡医学会専門会員・評議員。北里大学医学部卒業後、国立相模原病院、北里大学耳鼻咽喉科を経て現職。95年に「健常人OKAN(視運動性後眼振=めまい)」の研究で医学博士取得。96年、米国ニューヨークマウントサイナイ病院にて、めまいの研究を行なう。北里方式をもとにオリジナルのメソッドを加えた「めまいのリハビリ」を患者に指導し、高い成果を上げている。

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※この記事は『全国から患者が集まる耳鼻科医の めまい・ふらつきの治し方』(新井基洋/毎日が発見) からの抜粋です。

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