80歳までに3人に1人は発症! 他人にうつすことがある「帯状疱疹」の仕組み

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●子ども
【水ぼうそう】
水ぼうそうが治ると、ウイルスは神経節に潜伏します

症状が治まってもウイルスは排除されず、神経が集まる神経節に移動します。

●大人
【潜伏期】
何もなければ、ウイルスは神経節に潜伏したままです

攻撃部隊ともいうべき細胞性免疫が、神経節でウイルスを大人しくさせています。

●大人
【帯状疱疹を発症】
ウイルスは神経から皮膚に向かい帯状疱疹が発症します

細胞性免疫が低下すると、ウイルスが急激に増殖しはじめて帯状疱疹を発症します。

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「帯状疱疹の痛みが長引く帯状疱疹後神経痛(PHN)に悩まされる人も少なくありません。症状が出たら早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けていただきたいですね」

PHNは、神経節から神経に沿って皮膚に移動するウイルスにより、神経が傷つけられることで痛みが長引きます。

そのダメージによって、帯状疱疹後数カ月がたっても、PHNに悩まされる人もいます。

高齢になるほどPHNを発症しやすいので注意が必要です。

「PHNを防ぐには、帯状疱疹の発症から72時間以内に、抗ウイルス薬を服用することが重要になります。また、帯状疱疹の発疹でも、特に顔にできたりたくさんできて重症の場合など空気感染で水痘・帯状疱疹ウイルスを他人にうつすことがあります。なってしまったら、ご自身とご家族などを守るため、すぐに治療を受けましょう」

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取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

<教えてくれた人>
国立感染症研究所 感染症疫学センター 予防接種統括研究官 
多屋馨子(たや・けいこ)先生
高知医科大学医学部卒。大阪大学医学部小児科・微生物学講座などを経て2001年国立感染症研究所へ。13年より同研究所感染症疫学センター第3室室長、21年4月より現職。

この記事は『毎日が発見』2021年8月号に掲載の情報です。

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