糖尿病の改善するためには、毎日の食事が大きなポイントとなります。料理研究家で管理栄養士の村上祥子先生に、注意点や調理のコツ、簡単に作れるレシピを教えてもらいました。おいしくてヘルシーなので、カロリーダウンしたい人にもおすすめです。
糖尿病の食事の注意 5つのポイント
(1)必要な総エネルギー量を守る
(2)脳のエネルギー源・ブドウ糖になるご飯やパンなども必要量食べる
(3)野菜などの食物繊維を先に食べてゆっくり食事に時間をかけ、急激に血糖値を上げない
(4)栄養バランス良く食べる
(5)1日3回、規則的な時間に食事をする
おいしいから食事が待ち遠しくなる!糖尿病レシピ調理のコツ
[村上流 糖尿病 献立の基本]
主菜を選ぶ(200kcal)
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副菜1~2品選ぶ(50~100kcal)
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汁物を選ぶ(50kcal)
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主食を選ぶ(150~200kcal)
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エネルギー量を抑えた献立が完成!
カロリーダウンする調理法
電子レンジはフライパンで炒めたり焼いたりするよりも少ない油で調理ができ、調味料が少量でも味がよくしみます。電子レンジは糖尿病食を作るときにとても重宝します。またフッ素樹脂加工のフライパンは油の使用量を控えることができます。蒸し料理は大幅にカロリーダウンできる調理法です。調理器具や調理方法を見直してカロリーを抑えます。
歯ごたえのある調理法
糖尿病食の献立では、野菜をいかにたくさん取り入れられるか、が重要なポイント。特に歯ごたえを残すように調理します。火の入れ方、切り方、皮付きのまま料理するなど、しっかりかんで食べるようにすると脳にも刺激が届き、消化も促進され、ゆっくり食べることで血糖値の上昇が穏やかになります。カロリーダウンだけでなく大切なコツです。
調味料は正確に量る
濃い味付けは、ついついご飯が進んで、主食をとり過ぎることになりがちです。薄味の調理を心がけることは、高血圧予防のみならず糖尿病の食事にも大切なことです。また調味料にもカロリーがあるので、自分好みの味付けにするのではなく、調味料は正確に量ってなるべく少量で薄味を心がけるようにします。
ときには3日単位で考えてみる
「糖尿病なので揚げ物は食べられない」などと考えてしまうと食事の楽しみが減ってしまいます。3日単位で献立を考えて、「今日は揚げ物だからカロリーが高くなるので、明日と明後日はあっさりめのおかずにしよう」など、平均すればちょうどよくなるということがあってもいいでしょう。
取材・構成・文/石井美佐 撮影/中野正景
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村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。糖尿病、生活習慣病予防・改善のための栄養バランスのよいレシピを開発。日本栄養士会主催の特別保健指導にも あたっている。