昔は少し無理してもへっちゃらだったのに、最近、体のあちこちがギシギシする・・・。その悩み、体の内側にある筋肉「深層筋」を鍛えれば、短期間でもセルフケアができるそうです。そこで、6万人以上を治療してきた整体のプロ・片平悦子さんの著書『1日90秒でよみがえる! ガチガチの体がスーッと楽になる 深層筋ストレッチ』(あさ出版)から、わずかな時間で体調やプロポーションを維持できるストレッチ法を連載形式でお届け。病院や整体に行く前に、まずはトライしてみては?
1日1回90秒で、あなたの体は生まれ変わる
「肩こりがつらくてなんとかなりませんか」
「立ち仕事のせいか、最近、脚がむくみやすくて」
「出産してからウエストまわりが気になるんです」
私のもとには、こうした相談がひっきりなしに来ます。
そして多くの方が話の結びに「筋肉がないから」「筋肉が凝っているから」と筋肉に原因があるかのような話をします。
ただ、この見立て、じつは半分正解で、半分間違い。
なぜなら原因は「筋肉を含む体全体のゆがみにある」から。
実際、私はこれまで30年間で6万人以上を施術してきましたが、体の不調に悩む人は、たいてい体のどこかがゆがんでいます。
ゆがみはクセとなって残るため、肩や腰のバランスは崩れたまま。
内臓も本来あるべき位置からズレていたり、ねじれていたりするため、血流は悪く、新陳代謝も良くありません。
大半が痛みやすく、むくみやすく、やせにくい体の状態なのです。
そこで私が、相談者の方にやってもらっていたのが「深層筋ストレッチ」です。
1日1回90秒のストレッチを毎日繰り返すだけ。
たったそれだけで、ゆがみがなくなり、肩こりや腰痛とも無縁の体を手に入れられたのです。
ストレッチを続けた結果、「姿勢が良くなった」「体が軽くなった」「ウエストが細くなった」という人もいるほど。
私自身も「ここまでか!」とその変化に驚くばかりでした。
体の不調を取り除きたいという人にも、やせにくい体質で悩んでいる人にも、まさにぴったりなのが、これからご紹介する「深層筋ストレッチ」なのです。
筋トレとは違う、ストレッチの2つの特徴を知る
では、なぜこんなにも効果的なのでしょうか。
それは、大きな特徴が2つあるからです。
1つめは、ストレッチが「深層筋」という筋肉にフォーカスしているということ。
深層筋とは体の内側にある筋肉の総称で、"インナーマッスル"ともいいます。
骨と骨をつなぎ、関節や骨格を正常な位置に保つ深層筋はプロポーションの維持に欠かせません。
体の表面にある「表層筋」よりも奥にあり、腕立て伏せや腹筋などの筋力トレーニングでは鍛えることができず、日常生活で唯一鍛えにくい筋肉といえます。
そんな深層筋に、このストレッチはピンポイントで負荷をかけます。
つまり、体の軸となる深層部の筋肉に直接アプローチするため、短期間でたしかな効果が出やすいのです。
2つめの特徴が「ストレッチの手軽さ」です。
一般的な筋力トレーニングと違って、厳しく負荷をかける必要はありません。
仰向けになって胸を張ったり、イスに座って片膝を曲げたりするだけ。
長めのストレッチでも90秒ほどで終わります。
とにかく簡単で続けやすい。
お風呂上りや寝る前に1セットと決めておけば、無理なく続けられます。
必要な箇所にピンポイントで効き、しかも継続しやすい――。
この2つの特徴があるからこそ、驚きの効果が出るのです。
ストレッチ方法は写真でわかりやすく解説。肩と腰の2カ所を「起立・着席・仰向け」の3パターンで教えてくれるから、自分の楽な姿勢でできるのもうれしいです