
『人は背中から老いていく 丸まった背中の改善が、「動ける体」のはじまり』 (野尻 英俊/アスコム)第5回【全7回】
「最近、疲れやすい」「背中が丸くなってきた」と感じていませんか? 実は、人の老化は「背中」から始まると言われています。丸まった背中(脊柱後弯)は、見た目年齢を上げるだけでなく、転倒や骨折、寝たきりのリスクが高まる傾向にあるのです。書籍『人は背中から老いていく 丸まった背中の改善が、「動ける体」のはじまり』(アスコム)は、整形外科専門医、脊椎脊髄外科専門医、脊椎脊髄外科指導医である野尻英俊先生が、「背中の老いのメカニズム」と対策を医学的アプローチで解説します。今回はこの本の中から、健康寿命を延ばし、いつまでも自分の足で元気に歩き続けるために知っておきたいことをご紹介します!
※本記事は野尻 英俊 (著)による書籍『人は背中から老いていく 丸まった背中の改善が、「動ける体」のはじまり』から一部抜粋・編集しました。

ハワイ骨粗しょう症センターの研究チームが1982年から1991年の10年間にわたり、(1)広島県在住の日本人、(2)米国ハワイ州在住の日系人、(3)米国ミネソタ州在住の白人を対象におこなった脊椎X 線写真の比較調査によると、「日本人女性の複数の椎体骨折の有病率は65歳以降に急激に増加する」ことが明らかになったといいます。複数の椎体骨折は後弯症をよりひどくすることが言われているので、複数個起こさないための対策が必要です。
日本人においては、閉経を迎えて骨密度が低下しやすくなり、徐々に弱くなっていった多くの背骨たちが、65歳を機に、一気に骨折の方向に転じてしまうのです。
痛みをともなわない椎体骨折は自覚症状がなく、なかなか気づきにくいという怖さがあります。
「背中の丸まりが強い女性ほど、知らず知らずのうちに椎体骨折を複数保有しているケースが多い」という論文も複数発表されており、X線やMRI を撮影することによって初めて発覚するケースも少なくありません。
●健康診断で身長を測ったら縮んでいた
●近しい人から「背が縮んだ」「背中が丸くなった」と最近よく言われる
●腰痛はないものの、立っていると疲れやすい
これらは「いつの間にか骨折」のサインという可能性があります。「ひょっとして」と思ったら、すぐに専門の医療機関を受診しましょう。
この「いつの間にか骨折」を回避することを目指すうえでは、運動のみならず、骨を強くするための食事がきわめて重要になってきます。
また、日常動作が発生の起点になりやすいので、前かがみの作業を減らしたり、転びやすい環境を避けたりすることで発生の確率を下げることが可能です。








