『「小さな私」の癒し方 幼少期の記憶で人生は9割決まる』 (心理カウンセラーmasa/KADOKAWA)第7回【全8回】
「なんだか生きづらい」「いつも同じようなことで悩んでしまう」と感じることはありませんか? もしかしたら、その原因は幼い頃の記憶にあるのかもしれません。書籍『「小さな私」の癒し方 幼少期の記憶で人生は9割決まる』(KADOKAWA)は、過去の経験、特に幼少期の記憶が、今のあなたの感情や行動に深く影響を与えていることを優しく解説します。「あの頃の小さな私」が抱えていた悲しみや不安、満たされなかった気持ちに気づき、理解することで、長年の心の痛みが少しずつ癒されていくはずです。より穏やかで自分らしい生き方を手に入れるためのヒントが詰まったこの本の中から、ありのままの自分を受け入れるための方法をご紹介します。
※本記事は心理カウンセラーmasa著の書籍『「小さな私」の癒し方 幼少期の記憶で人生は9割決まる』から一部抜粋・編集しました。
"悩み"は「人生の宿題」
人は、生きているとさまざまな悩みを抱えます。
幸子の最大の悩みは、パート先のお局さんでした。
今のパート先に限らず、どこで働いても、自分だけ雑用をやらされたり、残業や休日出勤を強いられたりするなどのつらい目にあっていました。
また、ムリな要求に「NO」と言えないばかりに、さらに相手からの要望がエスカレートするなど状況は悪化するばかりだったのです。
「人生の宿題」とは、人生で解決しなければならない課題のこと。
悩み、つまり課題から目を背け、逃げようとすると、形を変えて繰り返し「悩まされる状況」が現れます。
でもそれは、決してあなたを苦しめるためではないのです。
課題を乗り越え、前に進むことで、まるでゲームのステージをクリアしたように、あなたの人生は大きくステップアップします。
幸子の場合で言えば、なぜ、いつもお局さんにつらくあたられるのか。
勤める場所を変えても、なぜ、自分だけが無理難題を押し付けられるのか、それは、その課題に向き合って、解決してほしいというサインだったのです。
もちろん私は、職場でつらい目にあう人すべてに、傷ついたリトル・ミーがいると言いたいわけではありません。
誰かの言動に不愉快な思いをしているのであれば、まずは、まわりの人に相談したり、直接、相手にやめてほしいと伝えることもできるでしょう。
このような現実的な対応をしたうえで、どうしても解決の糸口が見えない、同じ状況が続くといった場合、傷ついたリトル・ミーがいることが考えられます。
幸子の場合、同じような状況が、場所を変えても長い間続いていること、そして「NO」と言えないことで、さらによくない状態が続いていることなどを総合的に見て、大和は「傷ついたリトル・ミーがいるのではないか」と仮定したのです。