WHOの関連機関が指摘した夜間勤務の"発がん性"/9割の病気は自分で治せる!(17)【連載】

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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。

病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?

国際がん研究機関が夜間勤務と発がんリスクの関連を明記

本来、人間の体は日中に活動し、夜は眠るようになっています。脳の深部にある視交叉上核という神経細胞群(細胞の個数は1万6000個とも2万個ともいわれています)にある体内時計(生体時計)によって、そのようにセットされているのです。

視交叉上核にあるこの体内時計は、体を構成する60兆個の細胞の大部分に備わっている「抹消時計」の司令塔で「主時計」といいます。といっても、振り子時計のようなものが細胞内にあるわけではありません。体内時計は細胞内のタンパク質の量が変化することで、時計のようなしくみを生み出します。

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体内時計は、健康管理システムのスイッチボタンのようなものですから、できるだけ体内時計には素直に従って生活したほうが理にかなっていると言えます。

逆に、体内時計に逆らって生活していると生体リズムが乱れ、がんをはじめとする生活習慣病にもかかりやすくなります。

実際、交替シフトで夜勤をこなしている女性の看護師や国際線の客室乗務員には、乳がんを発症する人が多く、問題になっています。乳がんは女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌量が多いと発症しやすく、このエストロゲンの分泌量は「メラトニン」というホルモンによって調整されます。

メラトニンは、抗酸化作用や抗腫瘍作用もあるありがたいホルモンですが、夜間照明に反応して分泌が抑制されます。その結果、女性ホルモンのエストロゲンが不必要に分泌され、乳がんになりやすい体内環境ができるとされています。男性の場合、男性ホルモンの「テストステロン」の分泌量が増え、前立腺がんにかかりやすくなります。

夜間勤務については、WHO(世界保健機関)の下部機関である国際がん研究機関(IARC)が、「人に対しておそらく発がん性がある」グループにリストアップしています。

40代を境に、ホルモンの分泌量や免疫力などは右肩下がりになりますから、深夜勤務の人は、メラトニン錠剤を上手に活用し、日中に質のよい眠りを確保するのも一法です。

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岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。

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(岡本 裕/KADOKAWA)

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この記事は書籍「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」(KADOKAWA)からの抜粋です。

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