上まぶたが垂れ下がり視界が狭くなる「眼瞼下垂」。早い方は、40代から発症するそうです。今回は日本医科大学武蔵小杉病院 眼科・眼形成外科講師の村上正洋(むらかみ・まさひろ)先生にその治療法について伺いました。
手術の多くは保険適用、日帰りで受けられる
治療は、眼科や形成外科で手術を受けるのが一般的です。
手術では一般的に「眼瞼挙筋腱膜前転法」という術式が採用されます。
これは、一度瞼板から挙筋腱膜を剥がして、たるんだ分だけ、たくし上げるように短くして瞼板に再びぬい付ける手術。
所要時間は片目で30分ほど。
多くは保険適用となるため、手術費用は、片目で2万1600円程度(3割負担の場合。麻酔などは別途。税込)。
術中、術後に大きな痛みを伴うこともまれです。
日帰りする人も珍しくありません。
術後、目のまわりに内出血が広がる場合もありますが、2週間ほどで落ち着きます。
視界を取り戻し、かつ違和感を残さない自然な見た目に治療するのが重要。
治療の際は医師とよく相談しましょう。
主な治療法
伸びた挙筋腱膜をぬい縮める「眼瞼挙筋腱膜前転法」が一般的。
視界と見た目の両方を改善できるよう、医師とよく相談することが大切。
眼瞼下垂の手術法
まぶたを切開して、伸びてしまった挙筋腱膜を瞼板から剥がす。
剥がした挙筋腱膜の伸びた分だけ短縮して、糸で瞼板に再びぬい付けると、まぶたを持ち上げられるようになる。
取材・文/名嘉山直哉 イラスト/片岡圭子