ネット上には不適正な表示や広告があふれている/鎌田 實先生に聞く

ネット上には不適正な表示や広告があふれている/鎌田 實先生に聞く pixta_22370435_S.jpgウォーキングは現代人にとって、とてもいい運動です。しかし、歩けば歩くほどいいというわけではありません。さまざまな健康法がブームになりますが、何を信じればいいのでしょうか?

前の記事「1時間に2分間身体を動かす。それだけで死亡リスクは33%も減る/鎌田 實先生に聞く」はこちら。

 

不適正広告にだまされるな

ヘルシンキ大学の研究によると、中年期の運動習慣は、高齢になってからの認知症の発症リスクを減らし、がんやうつ病も減らしてくれることが分かっています。ぜひ、運動習慣を身に付けてください。

インターネットの通信販売で購入したサプリメントや健康食品では、80品目中67品目に不適正な表示や広告がみられたそうです。これは東京都が2017年3月に公表したものです。「認知症を防ぐサプリ」とか、「脂肪を燃焼させてくれる健康食品」など、魅惑的な効果をうたう商品にだまされないようにしましょう。高濃度水素水は、いまのところ水以上の効果は証明されていません。

臍帯血(さいたいけつ。分娩後の胎盤とへその緒に残った血液のこと。)で「がんが治る」とか、「若返る」といって、数百万円の治療費を取った医師や関係者が逮捕されました。やはり大事なのは、毎日の生活習慣なのです。

日本ではコレステロールが必要以上に恐れられています。厚生労働省は2015年、食事と血液中のコレステロールは相関しないと発表しています。コレステロールの高い人たちは食事療法よりも運動して1、2㎏やせることが大事なのです。

 

ダイエットのために朝食を抜くな

ダイエットのために、朝食を抜く人がいます。これは大きな間違いです。国立がん研究センターと大阪大学は、朝食を抜くと、脳出血の発症率が36%高くなるという研究結果を発表しています。また、米国の研究では、心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症リスクは27%高くなるとの報告もあります。

朝食を抜くと、血糖値スパイクといい、昼食を食べた後の血糖値が急激に上がって、動脈硬化を起こしやすくなったり糖尿病になりやすくなったりすることも分かってきました。

食後すぐに歯を磨いた方がいいと思っている人もいます。しかし、これは間違いだとする説も出ています。食後30分以内は歯を磨かない方がいいという理由は、食後すぐに歯を磨くと歯を傷つけ、むしろ虫歯になりやすいということです。それでも、口の中を早くきれいな環境にしたい人は「うがい」がよいでしょう。

耳掃除のやり過ぎもリスクがあります。耳垢は放っておいても自然に落ちます。むしろ耳垢が鼓膜の汚れを防いでくれ、内耳を水や感染から守り、バクテリアやカビの繁殖を防ぐといわれています。耳掃除でかえって耳垢を奥に押し込んでしまい、難聴や耳鳴りを起こすこともあります。 

 

お金よりも自由な時間を大切にしよう

これまでの内容を元にした『だまされない』(KADOKAWA)が2月初めに出版されました。健康で長生きで幸せな生き方のヒントが書かれています。ぜひ読んでください。

最後にぼくから大事なメッセージがあります。
カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究で、お金をためること以上に自由な時間をもつことに価値があると気付いた人は、人生の幸福度が高いということが明らかになりました。人生の満足感を高めるためには、自由な時間をもって、自分らしく生きることが大切だと分かったのです。

さまざまな健康法がブームになりますが、必ずしも根拠のあるものばかりではありません。情報に惑わされず、自由な時間で自分らしく、幸せに生きていただくことを切に願っています。

 

ネット上には不適正な表示や広告があふれている/鎌田 實先生に聞く
<教えてくれた人>
鎌田 實(かまた・みのる)さん

1948 年生まれ。医師、作家、東京医科歯科大学臨床教授。チェルノブイリ、イラクへの医療支援、東日本大震災被災地支援などに取り組んでいる。最新刊は『だまされない』(1,400 円+税、KADOKAWA)

 

■鎌田實先生の特集が一冊の電子書籍に!

shoei.jpg

「鎌田實式 若返り健康法」(『毎日が発見』健康ブック Kindle版)

定期誌『毎日が発見』の大人気特集が電子ブックになって登場!! 
「ぼくは67歳で筋トレを始めてから、人生が変わった!」と話し、ご自身を「スクワット伝道師」という鎌田實先生(71歳)の健康法を大公開。「スクワット」や「かかと落とし」など無理なくできる「筋トレ」の方法をはじめ、ゆで卵やジュースなどの「若返りごはん」レシピ、「心の若返り方」や、若々しい先生の「着こなしの極意」まで、盛りだくさん。保存版の一冊です!!

この記事は『毎日が発見』2018年3月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP