便秘になってしまうと、トイレで過ごす時間が長くなり憂鬱ですよね。どんなに頑張ってもなかなかうんちがででこない......とツラい思いを抱えている人は少なくありません。がんこな便秘は生活習慣の乱れが原因とも言われますが、実はうんちをするときの姿勢も便秘と関係があるのだとか。今回は、内科医の大塚真紀先生監修のもと、うんちをするときに適した姿勢について解説します。
洋式トイレが便秘に関係がある......!?
出すもの出して、すっきりしたい! そう意気込んで便座に座ったはいいものの、違和感のみでうんちはいっこうに出てこない。いたずらに時間が過ぎて徒労感のみが残り、快適な排便習慣とは程遠い......という悩みを抱えている方いませんか?
そんな方にまずチェックして欲しいのが、「和式トイレと洋式トイレのどちらを利用することが多いか」ということ。便秘の原因としてよく知られるのは、食生活や心理的ストレスなど生活習慣の乱れですが、じつは、排便時の姿勢も便秘に影響していると言われています。
実際に、和式トイレよりも洋式トイレで用を足すときは、お腹に余計な力を入れなければならず、腸に負担がかかってしまうと言われているんです。
和式トイレのあの姿勢が快便のコツだった!
では、なぜ和式トイレがうんちを出すのに適したスタイルと言われるのでしょうか。
便器をまたいでしゃがみこむと、直腸から肛門へのうんちルートがまっすぐになり、肛門が自然と開きます。そのため、うんちが出やすくなるというワケです。
皆さんは、ふんばらなければうんちがでないイメージをお持ちかもしれませんが、腸の働きが正常で、うんちの出やすい姿勢をとることができれば、無理なく排便ができます。和式トイレは、排便時の体への負担が少なくてすむ理想の排便スタイルだったのです。
子供の便秘が増えているのはトイレの変化のせい?
近年、便秘やそれに伴う痔を患う子どもが増えていると言われています。ライフスタイルの欧米化や食生活の変化はもちろんのこと、和式トイレを使用することが減り、「正しい排便姿勢を知らない」ことも背景にあるようです。
学校のトイレが和式から洋式へと変わりつつあり、それに伴って子どもたちの排便行動も変化しています。和式トイレならではの足で踏ん張ってうんちする経験がなくなり、どのような格好であれば、すっきりとうんちを出せるかといったことを学ぶ機会が減っているからです。
洋式トイレでの姿勢は、肛門とつながる直腸が直角になってしまい、うんちが出にくくなります。また、残便感が残ったり、お尻に体重が乗って痔の原因にもなってしまうのです。
洋式トイレでもうんちを出やすくする姿勢とは?
和式トイレが排便に適していることはわかりましたが、だからといって、和式トイレを選んでうんちをするのも大変ですよね。自宅で和式トイレを使っているという人は、かなり少ないですし、なかにはひざが悪くて、和式トイレでは用を足せないという人もいますよね。
洋式トイレであっても、よりうんちのだしやすい姿勢をとることで、快適な排便の実現が可能です。それも特別な用具を準備する必要もありません。
かの有名な銅像「考える人(通称)」の姿勢をイメージし、トイレで再現するだけで十分なんです。具体的には、和式トイレと同様に両足を開いて便座に座り、肘を太ももに置いて前傾姿勢をとります。さらに、かかとを床から離してより体全体を丸めるようにします。そうすることで、うんちを運ぶ直腸から肛門のルートが直角気味から、緩やかなカーブを描き、うんちに適した姿勢をとることができます。
便秘がちでトイレで苦しい思いをしている人は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
【まとめ】
両足をひろげてしゃがむ和式トイレは、排便に適したスタイルです。一方、洋式トイレが主流となった現在では、そうした排便に適した姿勢を学ぶ機会も減っているようです。排便や便秘の悩みをお持ちの方は、洋式トイレであっても「考える人」のポーズを真似して、うんちがでやすい姿勢をとることを心がけてみてください。
記事提供/ウントピ!