みなさん、「ダブルケア」という言葉を聞いたことはありますか?
ダブルケアとは、「育児と介護を両方しなければならない状況」のことを指します。当事者にならないと、知らない方も多かったのではないでしょうか。
キユーピーが実施した介護にまつわる意識調査から、ダブルケア問題がどうとらえられているのか、その現実が浮かび上がってきました。
およそ8割が「聞いたことがない」
「あなたは、介護における『ダブルケア』という言葉を聞いたことはありますか」という質問に対して、「聞いたことがある」と答えたのは全体の21.0%。残る79.0%の人は「聞いたことはない」と答えていました。
また、育児と介護が同時進行している方も多い40代でも、「聞いたことがある」と答えたのは23.7%にとどまっていて、実際にダブルケアをしているにもかかわらず、ダブルケアという言葉を知らない方が多かったようです。
また、「介護における『ダブルケア』と聞いてどのようなことだと思いましたか」という質問をしたところ、一番多かった答えは「自身の親と義理の親の同時介護」の26.5%でした。つぎに多かったのは「老々介護」の20.0%で、「育児と介護」と答えた人の割合は、わずか11.8%でした。
本来の意味である「親と子供」だけでなく、「実の親と義理の親」「配偶者と自分自身」といった「ダブルケアしなければいけない状況」の幅広さがうかがえる結果となっています。
働き盛りならではの不安、「仕事との両立」
「あなたは、今後『ダブルケア』をすることになったとしたら、どのようなところに不安を感じますか」という質問(複数回答)に対する答えでは、「精神面(メンタル)」が最も多く70.9%、続いて「金銭面」が69.2%、「身体面」が64.4%でした。
また、40代以下では「仕事との両立」も大きな不安となっていました。とくに40代は、じつに65.9%もの人が仕事との両立に不安を感じると答えています。仕事・育児・介護をすべてこなさなければならない状況は、不安になって当然ですね。
ダブルケアは、誰にでも起こりうる状況です。だからこそ、一人で抱え込まなくてもいいように、受けられる支援やサービスなどをあらかじめ調べておきましょう。心の準備も含めた、「ダブルケア対策」を練っておきたいですね。
文/米沢優利子