突然、介護者(介護をする人)になったとき、知識がないと皆混乱します。そんなときに重要なのが、介護の始まりから最後まで関わることになるケアマネジャーです。ケアマネジャーとの付き合い方や選び方について、NPO法人UPTREE代表でご自身も介護者としての経験を持つ阿久津美栄子さんに伺いました。
3回目は、ケアマネジャーとのトラブル対処法についてお伝えします。
前の記事「ケアマネジャーは「目的別」で選びましょう/より良い介護生活はケアマネジャーから!(2)」はこちら。
担当者を変えてもらうこともできます
ケアマネジャーは月1回家庭訪問をし、介護の状況を確認します。困ったときにまず相談するのもケアマネジャーで、頼りになる半面、不満を感じたり、トラブルになることが多いのも事実です。性格が合わない、本人や家族に対して配慮のない言動をする、希望にそわないケアプランを作成するなど理由はさまざま。ケアマネジャーの対応に不満がある場合、担当者を代えてもらうことができます。市区町村の窓口や地域包括支援センターへ事情を説明して、相談しましょう。
また、介護者はどうしてもケアマネジャーに頼りきりになる傾向があります。介護者同士で情報交換をするなど、介護の知識を増やす努力をすることも重要です。
こんなとき、どうする?
Q1.ケアマネジャーがすすめるプランに納得ができません。
A.ケアマネジャーと介護者の立場は平等なので、遠慮せず、改善してほしいことを伝えることが重要。明確に意思を伝えましょう。
Q2.介護保険の範囲外の介護サービスが組まれていました。
A.介護保険内で収めたい旨を伝えましょう。中立性のない人の場合は注意。場合により、地域包括支援センターや自治体の窓口に相談を。
Q3.地域が狭く、変更できるケアマネジャーがいません。
A.できる限り話し合い、改善策を相談しましょう。直接言いづらい場合は、居宅介護支援事業所や自治体窓口、地域包括支援センターに相談を。
Q4.ケアマネジャーの情報収集能力に疑問があります。
A.認知症カフェやサロンなどで他の介護者と情報を交換し、自分で情報を集める努力も大切。そこが自分の居場所になることもあります。
阿久津美栄子(あくつ・みえこ)さん
1967年生まれ。NPO法人UPTREE代表(http://uptreex2.com/)。NPO法人介護者サポートネットワークセンターアラジン元理事。子育て中に両親の遠距離介護を経験し、介護者の居場所を作る活動を行う。2016年、母子健康手帳の介護版ともいえる「介護者手帳」を制作。