2019年10月より消費税率が8%から10%に引き上げられます。「消費税が上がると家計の負担が増えることが予想されます。景気対策や制度を上手に利用するコツを、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の風呂内亜矢さん、消費生活ジャーナリストの岩田昭男さんに教えてもらいました。
国は負担を緩和する対策を実施
消費税が10%に引き上げられることによって国の税収が増えます。その増税分を使って、景気の悪化を防ぐために、さまざまな対策や制度が実施される予定です。以下に説明する『ポイント還元』が受けられる期間は、2019年10月から2020年6月までの9カ月間限定。「増税分を取り戻す良い機会だといえます」(岩田さん)。
■ポイント還元
買い物をして現金払い以外の方法で支払った場合、支払額に応じて5%や2%のポイント還元が受けられる。
※資本金5,000万円以下、または従業員50人以下で、過去3年間の課税所得の平均が15億円以下の店舗。また、経済産業省による加盟店登録をした店舗のみ。全ての店舗が対象となるわけではありません。
■軽減税率導入
消費税が10%に引き上げられた後も、毎日の生活に必要な飲食料品などは、8%のまま据え置かれる。家計の負担を減らすために実施される。
■プレミアム付商品券
住民税非課税世帯や小さな子どもがいる世帯などが対象。25,000円分の商品券を20,000円で購入でき、自治体内のさまざまな店舗で使える。
■年金生活者支援給付金の支給
【ほかにもこんな制度が!】
●自動車税の軽減
●環境性能割の導入・軽減
●幼児教育・保育の無償化
●住宅ローン減税の拡充
●すまい給付金の拡充
●次世代住宅ポイント制度
「自動車税の軽減、環境性能割の導入・軽減」は自動車税の引き下げと、新しく導入される環境性能割の税率が1年間、軽減される制度。「すまい給付金の拡充」は一定収入以下の住宅取得者に最大50万円を給付する制度。「次世代住宅ポイント制度」は、基準を満たす住宅の新築やリフォームに対し商品と交換できるポイントを発行。
取材・文/松澤ゆかり イラスト/イイダミカ