20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
12月に入ると、2025年という一年を振り返ってみることも多いのではないでしょうか。さまざまに思うことのあった、中道あんさん。一年の締め括りに持っておきたい思考のクセとは?
【前回】 結局、運がいい人が持っているものは何? 私の最高の開運習慣

終わり良ければすべてよし──2025年を振り返って良かったことを書こうと思ったけれどまず思い浮かんだのが一番悲しかったことでした。
それは、2月に友人が亡くなったことです。
もう一緒に時間を過ごすことはできない。
確実に、人生の質がひとつ下がったような感覚でもありました。
どれだけ親しい人であっても、突然、その「当たり前」は奪われてしまうんだ。
そう思ったとき、胸の奥にぽっかりと穴が空いたような気がしました。
けれどこの出来事があって、私は強く思うようになったのです。
時間は、あるようで、実はない。
迷っている暇なんてない。
「いつか」なんて言っている場合じゃない。
そう思ったら、以前にも増して決断が早くなりました。
やるか、やらないか。
行くか、行かないか。
以前の私なら立ち止まっていた場面でも、迷う時間が少なくなっているのを感じます。
やらない後悔よりも、やって後悔した方が、人生は充実します。
悲しいことがあれば、嬉しいこともあります。
2025年、孫がふたり増えました。
次男のところに次女が生まれ、長男はステップファミリーとして、いきなり小学2年生の男の子のパパになりました。
子どもたちがそれぞれ人生のパートナーを得て、家庭を築いていく。
それは、親として何よりもうれしい出来事でした。
命がつながり、家族の形が少しずつ変わっていく。
その変化を、私は静かに、ありがたく見つめています。
気がつけば、今や私はひとり。
そんな立場になりました。
私はこの一年で、ひとり暮らしも始めました。
最初は少し心細さもありましたが、今ではその時間が心地よく、何より、愛犬がこれまで以上に愛おしくなりました。
散歩の時間も、家の中でくつろぐ時間も、「この子がいてくれてよかった」と思う瞬間が増えました。
今では「ナイスバディね」なんて声をかけながら、愛犬の体をモフモフしているときが、一番の幸せです。
ふとしたきっかけで、二週間のポルトガル旅行にも出かけました。
一緒に行った友人は、その旅をきっかけに「ユーチューバーになろう」と決意し、滞在中ずっと動画を撮り続けていました。
一方で私は、とてもいいカメラを持って行ったにもかかわらず、動画をほとんど撮らず写真も少なめ。
ブロガーとして、それは自分でも少し不思議な変化でした。
以前の私は、何でも記録したくなるタイプだったのに。
けれど今は、レンズ越しではなく、その場の空気や風、匂いを、ただ体で感じていたかったのかもしれません。
人は、いつまでも同じ場所にとどまらない。
むしろ、変化しているからこそ、人生なのだと、最近よく思います。
だから私は、これからもなるべく経験や体験を増やしていきたい。
そうでなければ、友人のように「旅に出て、ユーチューバーになろう」そんな大胆な発想も、生まれてこない気がするのです。
あのとき、カメラを向けなかった私も、きっと知らず知らずのうちに、次のステージに足を踏み入れている途中なのだと思っています。
こうして振り返ってみると、2025年は、周りが大きく変わり、私自身は、内面の変化を感じ取った一年でした。
悲しい出来事は、確かにありました。
けれど、それと同じだけ、いえ、それ以上に、うれしいことも温かいことも、ちゃんとあった。
年末になると、つい「できなかったこと」や「足りなかったこと」ばかりを数えてしまいがちだけれど、そこから良いものが生まれることってないと思うんですよね。
できなかったことではなく、「よかったこと」の視点だけを集めて、この一年を終わらせる。
そうすれば、この一年が、素晴らしいものに思えてきます。
悲しいこともあった。
でも、うれしいことも、ちゃんとあった。
2025年、いろいろあったけれど、よかった。
あなたの一年にも、きっとどこかに小さな「よかった」が、ちゃんと残っているはずです。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。








