20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
つい何かをしたくなる、秋の夜。中道あんさんはあえて夜を短くして過ごしているといいます。さて、中道さんはどんな風に過ごしているのでしょうか...?
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秋の夜は、しっとり静かで、何か特別なことをしたくなる季節。
ひとり暮らしだと時間もたっぷりあります。
アロマを焚いて読書したり、体を軽くストレッチしてほぐしたり、動画配信サービスで映画鑑賞など。
けれど、62歳の私は、あえて夜を短くしています。
そのきっかけは、ひとり暮らしを始めてから。
おでかけついでにデパ地下のお惣菜売り場をのぞいて、家族が一緒だったら遠慮して買わなかったおかずを一つだけ、ウキウキしながら選ぶのが楽しみです。
いまどきは少量でも、ぜんぜん胸を張って買えるおひとりさま時代。
鶏の手羽先の甘辛煮の10本入りパックが並べられているのを横目にして、たった2本だけ、小さな容器に入れてもらう。
そして催事コーナーで見つけた、ご贔屓のバラ寿司をゲット。
その日を「ノーキッチンデー」と決めたら、もうそれだけで心が軽くなります。
野菜が足りない...なんて気にしない。
ご飯の支度がないぶん、夜の時間がぽっかり空きました。
いつもよりうんと早く、バスタイムをゆっくり取ってみる。
贅沢ついでに、バスオイルをぽとぽと数滴垂らして、湯気の向こうに香りが立っている。
一日で一番リラックスできる時間です。
以前は「何か生産的」に過ごさなければと焦っていましたが、今は何もしない時間が心を整えると感じています。
もう、何かを頑張って埋めなくてもいい。
空いた時間があるなら、そのままぼんやりしていたい。
そういう夜を重ねるうちに、「何もしない私」も悪くないなと思えるようになりました。
これは、「頑張り屋さん」の自分には大きな進歩です。
さて、お風呂を上がってもまだ20時にもなっていません。
「まだ早いからちょっとだけ...」スマホを手に取りたくなる時間。
でも、SNSをだらだら見ているうちに、あっという間に夜が更けてしまう。
それなら、いっそベッドへダイブ!
心地よいシーツに包まれて目を閉じる瞬間、「あぁ、今日もいい一日だったな」と思えるこの時間が、今の私にはいちばんの贅沢です。
50代前半は午前1時とか2時になるのがあたり前でしたけれど...。
寝るのが勿体ないと言っていた、あの頃が嘘のよう。
以前は、寝る前にハーブティーやコーヒーを飲むのが習慣でした。
でも最近は、カフェイン入りをうっかり飲んでしまったら、まったく眠れない!
そんな経験を重ねるうちに、「夜はもう、お茶もやめよう」と決めました。
代わりにお水を飲んでいます。
試しにウォーターサーバーを置いてみたら、これが大正解。
コーヒーや紅茶を飲まなくても、夜の一杯でうるおいをキープしてくれそう。
美味しいお水で体がすっとゆるみ、眠りへの準備が整う感じがします。
夜を長く使うことが充実だと思っていた50代。
けれど今は、静かな夜にスマホを閉じて、眠る。
それだけで十分満たされます。
そんなささやかな時間の積み重ねが、翌朝の元気をつくってくれる気がします。
60代になってくると、何をするかよりも何をしないかも大事になってくるんですよね。
秋の夜長をあえて短くしてみる。
年齢を重ねた今だからこそ、その心地よさを実感しています。
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