モラハラDV夫と別居して10年。あまりにも突然やってきた「孤独死」の知らせ/chii

モラハラDV夫の元から、息子と二人逃げて10年になります。

別居して10年、本当にいろいろありましたが、先月、夫が亡くなりました。

連絡を受けてから、一か月近くたち、やっと気持ちも落ち着いてきました。

別居中の夫は、自宅内で孤独死していたのです。

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10月某日、ショッピングモールで買い物中に、スマホに着信があったのですが、電話には気が付きませんでした。

すぐに息子からLINEが来て、そこには「お父さんが自宅で倒れていて、確認したら亡くなっていたって。すぐに警察に電話して」と書かれていました。

頭をガーンと殴られたような衝撃が走り、震えが止まらなくなりました。

震えながらバスに乗り、自宅へ帰りました。

警察に電話をすると、刑事さんが出て、詳しいことを話したいからこちらへ来てくださいと言う。

すでに夫は警察署内に安置されているようでした。

えっ、えっ、一人で行くの?

夫の顔を見るの?

と頭が混乱し、どうしていいかわからなくなりました。

息子は授業があり、すぐには来れないそう。

小さな子どもが二人いる娘にも、来てと頼むことはできないと、一人で向かうことを決断。

心臓はドキドキし、身体の震えは相変わらず止まりませんでした。

警察署では、30分ほど待たされた後、担当の刑事さんが現れ、個室に案内されました。

ここで詳しい状況を聞くと、夫は死後一週間くらいたっていて、少し腐敗もすすんでいたとのことでした。

近所の方から通報があり、一週間ほど郵便物がたまっていて、回覧板も置いたままで様子がおかしいということで家に入ったそうです。

そして、居間で亡くなっていた夫を発見したのです。

「ご主人にお会いになられますか?」の答えに、即座に「いいえ」と答えた私。

ガリガリに痩せて腐敗が始まっているという夫を見たくないと思ったのです。

担当の刑事さんにはいろいろと聞かれました。

別居して何年? どういう経緯で別居したのか、最近は会っていたのか等々です。

全部、正直に答えました。

10年前に家庭内暴力で、このままでは命が危ないと警察に通報したことがあったのですが、その記録が残っていました。

刑事さんはその記録を見たようで、ご主人のご遺体の引き取りはどうされますか? 拒否もできますよと。

遺体の引き取り拒否を選ぶと、荼毘に付すのも、その後のお骨の管理も市がやってくれるということでした。

私がとっさに思ったのは、夫のお骨を自分の部屋に持ち帰りたくないということでした。

そして思わず、引き取り拒否を選択してしまったのです。

引き取り拒否をすると、夫のお骨はしばらくの間、市役所に安置され、その後無縁仏として埋葬されると聞きました。

刑事さんは、「わかりました。それではその件につきましては、市役所に交渉しましょう。土日は警察署内の霊安室に安置しておきます。月曜日に市役所に交渉し、連絡するようにします」と。

そして私は、夫に会うこともなく自宅に帰りました。

頭の中では、無縁仏無縁仏と、その言葉がグルグルと駆け巡っていました。

これで良かったのだろうか?と自分を責めて。

娘や息子に相談すると、二人とも無縁仏にするのは、可哀想すぎると言いました。

息子に至っては、お葬式をちゃんとしてあげようと言い張ります。

土日の二日間で、考える時間があって、私の気持ちに変化がありました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、10年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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