「高校3年生の長男は不登校中。でもペットのお世話だけは絶対に欠かさないんです」
■不登校の長男が溺愛する我が家のペット
うちの長男は中学1年の頃から不登校で、いまは不登校対応の私立高校に通う高校3年生(17歳)です。
いまだに毎日学校へ行くことはできない長男ですが、欠かさず行っていることがあります。
それは、ペットの世話です。
我が家では、うさぎの「くろふさ」、ウーパールーパーの「うぱさま」、デグーの「やしち」を飼っています。
長男は、「やしち」のお世話係。
彼は「やしち」を自分の部屋へ連れて行って、寒いときには毛布にくるんであげたり、毛づくろいをしてあげたり、とにかく溺愛しています。
「やしち」の小さな変化にもすぐ気づき、ネットでいろいろ調べたり、病院にも一緒について来てくれたりしてくれます。
几帳面な長男は、日々の世話も徹底していて、水やエサは毎日新しいものに交換、週2回は必ずケージ内の掃除しています。
砂浴びが好きな「やしち」のために、好みの砂を買ってきて、おやつもいろいろなものを試したうえで、喜ぶものを選びます。
■溺愛のはじまりは初代のデグー
実は、「やしち」はうちでは2匹目のデグーです。
初代は「でちくん」でした。
長男が小学4年生の頃うちにお迎えしたデグーで、私たち一家にとっては初めてのペットでした。
この「でちくん」が溺愛の始まりでした。
「でちくん」はとても賢く、「部屋んぽ(ケージから出して自由に部屋を散歩させること)」が好きなかわいらしい子でした。
人間が大好きで、家族を見かけると出してほしいとケージのバネを鳴らしてアピールしてくれていました。
この頃から一番よく「でちくん」のお世話をしてくれていたのが長男です。
中学校に上がってすぐ不登校になり、家にいることが多くなった長男は、「でちくん」の相手をよくしていました。
一緒にお昼寝していることもありました。
また、長男が不登校になった初めの頃、パニックで発作を起こすこともあったのですが、発作の予兆を感じたとき、「でちくん」を抱っこしていると不思議と収まるようになりました。
私が仕事で家にいられないとき、「発作が起きそう」と連絡してきた長男に「でちくんを抱っこして。それでも無理そうならまた連絡して」と幾度となく言いました。
後から連絡してみるとケロッとした様子で「すぐ収まった。なんともないよ」と返事をもらって、ほっとすることが何度もありました。
長男が高校2年生の夏休み、「でちくん」は8歳で亡くなりました。
長男は亡骸を最後まで手で包み、いつまでもその背中を撫でていました。
また、火葬後は葬儀屋さんで合祀するのではなく、遺骨を家に置いておきたいと言ったのも長男でした。
いま家にいる「やしち」は、「でちくん」を飼い始めた1年後にお迎えした後輩デグーです。
「でちくん」よりはお利口ではないけれど、かわいらしい仕草に癒されているようです。
学校に行くことができないのは悲しいと思ってしまいますが、長男がペットを思いやれる心を持ち責任を持って、世話ができる優しい子であることは、母としてとてもうれしく感じます。
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