まるで別人...妻が異常なまでに執着する「あるモノ」の正体は

「誰にでもなんとなく執着するものがあると思います。私の妻が異常に執着するものは、多くの人が気にもしない『あれ』なんです」

アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?

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■食に執着のない妻が、人が変わったようにこだわるものとは?

「ねえ、いつまで食べてるんだよ...」

「ちょっと、待ってよ...この、最後のひとつがなかなか」

「いいだろ、そんな小さいのひとつぐらい、もう行くよ」

「あ、ちょっと。いま、取れたあ!」

蕎麦店やラーメン店で食事をするときに、こんな会話が私たち夫婦の間で行われます。

妻(59歳)が執拗に追いかけている「小さなもの」の正体は「ネギ」です。

妻は薬味のネギマニアです。

そばやうどん、ラーメンなどに添えられるネギに異常なまでに執着します。

つけ汁やラーメンスープの中にたゆたうネギ、彼女はその最後の一欠片まで箸やレンゲで追いかけ、食べ尽くさない限り食事を終えようとしないのです。

まあ、なんて食に真摯な方なのでしょう、などと思われる方がいるかも知れません。

しかし、この癖は『薬味のネギ』にしか発揮されません。

普段の食事では、茶碗に付いたご飯粒などにはとんと無頓着で、昔風に言うなら「ご飯粒の神様」に祟られても文句は言えません。

外食などでおかずを食べきれなくてもまったく気にしないのに、薬味のネギだけは違います。

薬味皿には決して一欠片のネギも残すことなく汁に移し、そのすべてを確実に平らげるのです。

揚げだし豆腐の上に散らしたネギも、豆腐本体がなくなったあとも、皿を舐めるのではないかと思うほどの執拗さでネギを追いかけます。

■無類のネギ好きというわけでないのになぜ...

ここまで聞くと大抵の人は、心底ネギがお好きなんですね、と思われることでしょう。

ところが、そうではないのです。

鍋ものなどをして、汁の中にくたびれたネギが残っていても興味は示しません。

ちなみに、そういう類のものは私が片付け専門です。

20年ほど前、北関東に旅行したときのこと。

群馬で下仁田ネギを焼き葱で食す機会がありました。

「いやあ、丸々とした見事なネギだね」

そう言った私に、妻はあまりよい反応は見せません。

「甘い! ネギだけでこんなに美味しいなんてすごいよね!」

興奮気味に語る私に、ひとかじりした妻は「そう?」と言って怪訝な表情をするばかり。

結局、半分ほどしか食べず、残りは私が食べました。

ああ、火が通るとだめなんですね、と思われるかもしれません。

しかし、そうでもないのです。

福島の会津地方、大内宿には有名な「ネギ蕎麦」があります。

ネギを箸代わりにして蕎麦を食べるという郷土料理です。

ネギをかじりながらその刺激をアテにそばを楽しむのが醍醐味なのですが、妻は...。

「辛っ!」

そう言った後、決してネギをかじろうとはしませんでした。

「なんで薬味のネギをそんなに追いかけるんだい?」と尋ねたことがあります。

「え? なんでって...もったいないじゃない?」と返されました。

「他はもったいなくないんかいっ!」

ツッコミどころ満載の不思議な習慣です。

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