「結婚式の司会しながら漫才もしてほしいねん」マリッジハイな友人のむちゃくちゃな要求/かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。

【前回】「かづは私と違って顔が広いやん?」マルチ商法を勧める友人の狙いは同窓会幹事の人脈だった!

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高校時代の同級生、百合の結婚式の司会を引き受けた。

夫婦揃ってその挨拶に来るという話だったのに、百合はマルチ商法のビジネスを一緒にやろうと言い出し、一緒に来た彼もパンフレットやカタログを広げて説明を始めた。

二人の狙いは同窓会幹事を務めた私の人脈だったのだ。

「同窓会に来てくれた人だけでも毎回最低50人はおるやろ? みんなかづを信用してるから、かづが声掛けてくれたら大丈夫やって! 私ら2人で行って、説明は私がするし! なんやったら彼も連れて行くし!」

そう話す百合の目は、「私ら親友やろ!?」と言っていた。

「いや、その話は今すぐには返事が出来へんわ」

私はのらりくらりと話をはぐらかしていけば、そのうち諦めるだろうと思った。

「とりあえずは結婚式の司会の打ち合わせが決まったら知らせて」

彼の手には入会の申込書が握られていたが、私がそう言うと「話が違うじゃないか」と言いたげに百合の顔を見た。

百合は私なら絶対に即答で入会してくれると思っていたのだろう。

それほど私たちは親友だったのだ。

逆に言えば、私がその場で決めなかったので今日は無理だという事も百合はわかったようだった。

この日はこれで帰ってくれたが、なんとも後味の悪いものだった。

もっと楽しい時間になるものと思っていただけに、マルチ商法の話が出た途端百合の変わりようにショックだった。

私はこの事を共通の友人である久美に話すかどうか迷った。

結婚式前なのにケチを付けるようで、また陰口を叩くようで。

けれども、もしも久美のところにも勧誘に行ったとすれば必ず久美は私のところに連絡してくるだろうからと、私はそれまで黙っていることにした。

私たち仲良しグループの中では、どちらかと言えば久美はおとなしく聞き役が多かったので、絶対に一人で抱えておけないと思ったからだ。

その後は百合も準備や色々忙しかったので連絡が無かったが、司会の打ち合わせの連絡も無いのは気掛かりだった。

「もしや司会の話も無くなった?」

まさかマルチ商法の入会を即答しなかった件で連絡をしてこなくなったとは思いたくは無かった。

結婚式まで残り1か月と言う頃に百合から電話があった。

「百合ー! 連絡が無かったからどうしたんかと思ったー!」

「ごめんごめん! 色々バタバタしてて忙しかってん」

いつもの百合で安心した。

「で? いつ打ち合わせがあんの? プログラムとか決まった?」

「あぁ、それはまた後で言うけど...。お願いがあんねん」

いつもなら「なになに?」と返すところだが、悪い予感がした。

「あのな、式には私友達ってかづと久美しか呼ばへんのよ。会社もとっくに辞めてるから、元同僚を2人ほど呼ぶだけで。後はみんな親戚やねん。彼は仕事の関係でたくさん呼ぶんやけど、みんな余興するんやって」

「あぁ、それを司会するんやな」

「ちゃう! ちゃう! かづに漫才してほしいねん!」

「は???」

もう驚きすぎて言葉が出なかった。

「向こうは歌やらコーラスやらダンスやら色々すんねんて。 こっちも何かせなあかんやんかぁ。だからかづに漫才してほしいねん。私の高校生の頃の何かをネタにして5分くらいで」

マリッジブルーとはよく聞くが、その反対のマリッジハイとでも言うのか、百合はこれでお願いしているつもりなのか?

長年の親友の百合の結婚式だから出来る限り協力して、盛り上げてあげたい気持ちはある。

けれども何でもOKと言うわけではないのだ。

大きなため息が出た。

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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終わり、夫と2ニャンと暮らしている結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

【かづさんの連載が漫画になりました!】


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