<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ももこ
性別:女性
年齢:43
プロフィール:43歳、2人の子ども(男17歳、女15歳)を育てるワーキングママ。忙しい暮らしのなかに人生のスパイスを見つけるのが得意です。
私の父(75歳)は理論的で真面目な人間です。
建設業を営んでおり、75歳になったいまも現役で働いています。
会社の売上は上々、それでも贅沢はせずに堅実に働き、自家用車を購入するのに何年も悩むこともあるくらいです。
趣味も多岐にわたっていますが、それらもできるだけお金をかけずに人生を謳歌しています。
また、オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺を見抜くなど、冷静さも持ち合わせています。
以前、詐欺の電話がかかってきた際も「君は誰だ? 私の息子はそんな話し方をしないはずだが」と冷静に対処して撃退。
むしろ「逆に騙されたフリをして最終的に捕まえればよかった」と後悔することも。
このように、理詰めで考える父なので、電気料金の乗り換えの営業の電話がかかってきた際には相手が気の毒になることもあります。
「そんなに勧めるなら、現在よりどのくらい得になるのか、我が家の費用をシミュレーションして数年分の数字を算出してほしい」などと、1時間以上も話し、挙句の果てに「そんなあいまいな知識で営業などするべきではない」とピシャリ。
さて、そんな真面目で理論派の父ですが、少し変わったところがあります。
父は通販の雑誌が好きで、さまざまな通販会社の雑誌を取り寄せては眺めています。
ときおりマッサージチェアなどの大きな買い物を検討するときなどは、本当に必要か悩みに悩みます。
普段は無駄な買い物などせず、ただ雑誌を眺めて楽しんでいる...のだと信じていました。
しかし実情は違っていて、全力で無駄使いをしているようなのです。
例を挙げるとしたらまずは「ネクタイ30本セット」。
カラフルなものから渋いものまであり、コンセプトは「毎日のネクタイ選びに困らない! おしゃれなネクタイ大容量セット」といったところでしょうか。
ただ、父の仕事は建設関係で、社長とはいえ毎日作業着で出勤するためネクタイを使うことはありません。
使うのはもっぱら冠婚葬祭のみなので、白と黒だけでいいのに...。
次は「傘20本セット」。
傘ってそんなに必要? 揃えるとしてもせいぜい2~3本、折り畳みの傘があれば十分だと私は思います。
壊れたときの予備として...と思うかもしれないですが、予備を含め2~3本あれば事足りると思うのです。
極めつけは「水がおいしくなる壺」です。
そんなものを買ったと知ったときは「え、うそでしょ?」と心配になりました。
どうやら有名な通販雑誌に掲載されていたらしく、高額ではないのでないのですが、水がおいしくなるって...。
はたして科学的根拠はあるのでしょうかか?
オレオレ詐欺は撃退したのに、このような商品をどんどん購入するとは、慎重なあの父の性格はどこにいったのでしょうか?
そのうえ、これらの3つの商品は購入してから1度も使っていないようなのです。
一体、どういうことなのでしょうか?
これはもはや無駄遣い、私にはとうてい理解できません。
通販のカタログを見ていると欲しくなってしまうのでしょうか?
からかいの意味も込めて、「そういえば、ネクタイって何本、使ってみたの?」と聞いてみると、バツの悪そうな顔をして「まだ使っていない。でもいつか使うはずだ」と言っています。
父は今日も難しい顔で通販雑誌を眺めながら、会社にかかってきた営業電話に真面目に対応しています。
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