同窓会で会って以来馴れ馴れしく電話をしてくる友人。彼女が狙っていたあるものとは.../かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。

私がこれまでに経験した同窓会にまつわるお話です。

【前回】「飲む人と飲まない人が同じ金額はおかしい!」ワガママ言われたい放題の同窓会幹事は辛いよ

同窓会で会って以来馴れ馴れしく電話をしてくる友人。彼女が狙っていたあるものとは.../かづ pixta_27126550_S.jpg

同窓会の幹事をしてからと言うもの、急に色んな人から電話がかかってくるようになった。

それも、長年の友人かと錯覚するほどグイグイ来る感じだ。

『宝くじが当たると急に親戚が増える』と聞いたことがあるが、私にこんなにもたくさん親密な友人がいたのかと思わず笑いそうになる。

私と仲良くしておかないと、次の同窓会には呼んでもらえないと思ったのか、暑中見舞いにも年賀状にまで「次の同窓会にはぜひ呼んでね」と書かれてあるくらい。

極端にトラブルを起こさない限り、一通り案内状はお送りしますのでご安心召され。

同窓会から頻繁に電話をかけてきた一人が友美だ。

高校3年の時に同じクラスになり、それほど仲よくした覚えは無かった。

友美は耐寒登山の際の最後尾グループの一人で、このままでいけばスケジュール通りの山頂でのレクリエーションに間に合わなくなるので、その時たまたま体育委員だった私が最後尾グループを励ましまくって山頂まで引っ張っていった。

逆に言えば体育委員じゃなかったら、友美と喋ることも無かったんじゃないかと思う。

その程度の接点しかなかった友美が同窓会後にやたらと電話をかけてきて、「かづちゃんと久しぶりに会えてうれしかった」だの「これからも仲良くしてね」だの言うので、まぁ無下にするのもなんだと思った。

友美は高校を卒業した後、和洋裁の専門学校に行き呉服店に勤めていた。

結構老舗の呉服店に勤めていたのでかなり仕事はハードで、最短1日で仕上げるものもあれば、白無垢や打掛には半年かかったと言う。

「今縫っている着物は反物だけで100万円近くもするので緊張する」など、友美は高校時代とは打って変わって饒舌になっていた。

ただ問題は、私が友美の話す話題に全く興味が無かったので、電話が掛かってくるたびにだんだんとストレスになってきた。

友美は独身だったのでうちの夫や姑の愚痴を話したところで素っ気ない返事しか返って来ず、ましてや子どもの話をしても「ふーん」で終わってしまう。

なので、友美から電話が掛かってきても話が盛り上がる事は無く、ただただ友美の職場の愚痴や仕事の大変さを聞くだけだった。

友美の会話の端々に高校時代の友人とのつながりが無いことがわかり、今回の同窓会で私とのつながりが出来てとても嬉しそうだということはわかった。

ある日のこと、いつものように友美から電話があった。

ところがいつもの饒舌さは無く、どこか口ごもった様子でおかしいなと感じた。

すると友美は意を決したかのように話し出した。

「あのね、かづちゃんにお願いがあるんやけど」

嫌な予感しかしない。

「今度展示会があるんやけど、見に来てくれへん?」

聞くと、呉服店の展示会に従業員一人当たり10人呼ばなければならないノルマがあるらしく、なんと今回の同窓会参加者の名簿を使わせてほしいと言う。

あぁ、このために頻繁に電話をしてきたのか。

当時はまだ個人情報保護法が無く、友美は私の持つ名簿目当てで途切れることなく連絡を取り続けていたのだろう。

「いや、それは出来へんで友美。みんな私が名簿を他で利用するなんて思ってへんから信用してくれてるんやから」

「そしたらかづちゃんが他の子に声掛けてくれる?」

友美の声がだんだんと必死になってくる。

それも、展示会の場所は自宅から電車とバスを乗り継いでも片道2時間以上もかかるところだ。

「そもそもそんな遠いところに子ども連れて行かれへんで?」

私は当時まだ車の免許を持っておらず、当然私専用の車も無い。

「そしたら案内状だけでも出させてもらっていい?」

「他の子の住所は言われへんよ」

友美は大きなため息をついて電話を切った。

数日後、友美が勤めている呉服店から展示会のご案内の封書が届いた。

中には展示会の詳細が書かれたチラシや、プレゼント引換券が入っていた。

引換券の裏には友美のハンコが押してあった。

私が展示会に行く事は無く、友美からの電話もパッタリと無くなった。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終り、夫と2ニャンと暮している結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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