これは今から約10年程前、脱サラして居酒屋を始めた大将とその妻である女将に起こった出来事です。
現在の私は離婚して一人暮らし。
近くに住む孫たちと楽しい日々を過ごしております。
【前回】長女は店の手伝い、次女は家事。幼い子ども達に苦労をかけた挙句...発覚した「夫の裏切り」
ある冬の日のこと。
居酒屋の閉店後にトイレに入ってると、旦那が入り口の引き戸を開けっ放しにして何処かに行ってしまいました。
トイレに入っていながら寒くて寒くてどうした事かと出て来て、ようやく状況が飲み込めたわけです。
無用心なので引き戸を閉め、その後、外から帰って来た旦那に「店には現金も置いてるのに開けっぱなしにして盗られたらどうするのよ!」と言いました。
旦那は戸を閉めて行ったつもりだったらしく、私に文句を言われた事に何やらぶつぶつと呟いていました。
そして私は更に畳み掛けるように言いました。
「あなたは私の事を大事に思ってない。店を開けっ放しで出掛けるなんて、中にいる私に何かが起こったら...とか想像出来ないんでしょう?」
するとまたもやぶつぶつと呟いていたので、「そんなに私に不満があるなら言ってみてよ」と言いました。
旦那も旦那で私への不満があったようで、「言わないでおこうと思ったけど...」と前置きされた上で「あなたは僕がサラリーマンの頃、朝御飯を作ってくれたことがない」と言うのです。
お恥ずかしい話ですが、高校卒業と同時に家出同然に旦那のアパートに転がりこんだ私は、家庭的な事は全く出来ませんでした。
高校時代は朝御飯もろくに食べず、弁当も持たされなかったので、毎日学食で済ます日々。
夜ご飯も食べられたらいいやくらいの感じで食事には無関心でした。
かたや旦那は朝起きるとちゃんとご飯とお味噌汁が揃っていて、父親より後に起きる母親を知らないという良妻賢母の母親がいる家庭で育ちました。
結婚してからも旦那は自分の朝御飯は自分で作っていたし、私も自分の分だけ作るか食べずに出勤する事もありました。
ですから、朝御飯を作らない事は旦那も納得しているものだと思っていたのです。
さすがに子ども達が産まれると子ども達には朝御飯を作っていましたが、それより早く家を出る旦那の分は作っていませんでした。
自分で何でも出来る人だから旦那には朝御飯作らなくても大丈夫。
若い頃の私は食べたい人だけ食べたらいいやという考えだったようです。
要するに旦那に甘えていたのですね。
(あなたの旦那、いつもニコニコ笑っているけど内心じゃ何で朝御飯作ってくれないんだって怒ってるわよ!)(何十年も経ってからその事で文句言われるわよ!)って、昔の自分に教えてあげたい思いです。
「子どもの為には何だってするのに俺の為にはやってくれない。愛されてないんだと思うじゃないか。作るのは週に一回でも良かったんだ」と言われました。
え? そんな昔から愛されてないと思ってたの?
私はあなたが浮気した時に愛されてないんだと自覚したけど。
て言うか朝御飯作らないイコール愛されてないって何よ?
晩御飯は作っていたでしょう?
掃除は手抜きだけどやってたでしょう?
洗濯は好きだから毎日やってたし、子ども達だってどこに出しても恥ずかしく無い立派な大人に育てましたよ?
何よりあなたがリストラにあってお店を始めようとしている時に、パートを掛け持ちしてあなたを支えて一生懸命お店を切り盛りしていた私が、あなたの事を愛して無かったって?
浮気されて死ぬほど苦しんだ私を見ても、あなたの事を愛して無かったって?
あなたは一体私の何を見ていたの?
私はあなたの事をただただ優しい旦那様だと甘えに甘えてた。
親にも甘えたことが無かった私だから甘えられる人ができて嬉しかった。
あなたは多少の事でも絶対怒らずにいつもニコニコしていたから。
でもすべて私の独りよがりだったようですね。
旦那の為に朝御飯を作らなかった事を指摘されて、来たか〜と思いました。
後悔しても過去の事だしどうしようもないけど、そこをつかれると痛いわ〜。
心が痛いわ〜。
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