これは今から約10年程前、脱サラして居酒屋を始めた大将とその妻である女将に起こった出来事です。
現在の私は離婚して一人暮らし。
近くに住む孫たちと楽しい日々を過ごしております。
【前回】え、不倫した挙句、妻にタダ働きさせる...? 浮気相手にはお金を使っていて!?
今回は離婚が決まった頃のお話です。
ある日の閉店後、旦那は軽い食事とビールを用意するとタブレットにイヤホンを付けて聞き出しました。
あれ? 今までイヤホンなんて使った事ないよね? 私の前では。
むしろうるさいから音量落としてって何回も私に言われているくらいなのに。
今日辺り、私が何か言ってくるかもと思っているからイヤホンを使っているのかしら?
私はとうとう口に出しました。
「離婚届、いつ書いてくれるの?」
私は数日前に離婚届を旦那に渡していました。
旦那は面倒臭そうにイヤホンを外して言いました。
「今度の休みに書くよ」
あっけないセリフに私は驚きました。
「離婚届よ? いいの? なんでソレ渡した時点で私に何も言って来なかったの?」
旦那は答えませんでした。
続けて私は言いました。
「今年中には決着つけたいの。だからソレ持っていたいの。いつでも出せるように」
「今年? じゃすぐに書かなくてもいいじゃん」
旦那は半笑いで言いました。
「仕方ないじゃない、まだ住む所決まってないんだから。て言うか出来ればあなたにあの家を出て行って欲しいくらいなのよ」
「そう...だろうな」
それから思い出したように旦那は言いました。
「オレ出て行って家はどうするの? ローンは?売るの?」
確かにローンの残っている家を売っても手元には殆んど残らないでしょう。
「い、今までの未払い給料とか...あと慰謝料も欲しいんだけど」
そう私が言うと「オレだって給料なんてなかったぞ」
出た! 二言目には「オレだって...」!
だけどあなたは売り上げ全部取り上げて、そこから必要経費等を払っているけど、それ以外にも彼女との付き合いに使っているじゃない。
彼女とイチャイチャしながら美味しいご飯食べに行ってるじゃない。
ねぇ、お小遣い程度のお金だけ貰って給料なんて無くて。
仕事は滅茶苦茶きつくて。
「苦労かけるね」とか労りの言葉も無くて。
「愛してるよ」の言葉は他の女に盗られて。
私があなたの側にいる意味がある?
あ〜あったね~。無料のお手伝いさんだった。
無料って言ったら語弊があるかもだから、超低賃金で使えるお手伝いさんって言った方が合っているのかしら?
愛人さんに「今のこの私のポジションやってよ」って言ったらやってくれるのかな?
...虚しいな。
こういったやり取りをしている間に旦那は一度たりとも『愛人と別れてお前とやり直したい。離婚届なんて書かないぞ』とは言いませんでした。
愛人と別れるという選択は旦那には微塵も無かったようです。
別れると言っても「どうせまた嘘をついて愛人と付き合い続けるのでしょう」って私に言われるからかな?
それでも離婚届を突き付ければ、旦那は慌ててどうしようかと考えるだろうと思っていた私が馬鹿でした。
愛されてないって辛いですね。
この後トイレに入って泣きました。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。