<この体験記を書いた人>
ペンネーム:abby
性別:女性
年齢:57
プロフィール:猫ラブ・ベジタリアン・夫は外国人。
2023年6月、実家で起こった大ハプニングの話です。
最近、私の実家で懸念されているのは介護問題です。
そのため、私は2カ月に1回のペースで他県にある実家に帰っています。
実家までの所要時間は、新幹線を利用して片道約6時間。
まあまあ遠方にあります。
さて、実家に着いた初日のことです。
両親と私の3人が夕食の席に着いてまもなく、母(80歳)が食べていたアジフライを喉に詰まらせました。
母は詰まった物を出そうと咳をしますが、なかなか出ません。
最近、母は嚥下(えんげ)障害の問題があり、噛む力はあるけれど飲み込む力が弱く、詰まりかけることがよくあります。
普段は自分で咳をしたり、とろみのついた飲み物で事なきを得るのですが、このときはどうも様子が違いました。
私は息ができずに苦しんでいる母の背中を叩いて(背部叩打法)みましたが、詰まったものは出て来ません。
いつものように簡単に出てくるだろうと思っていたので、だんだん焦ってきました。
そうこうしているうちに意識が朦朧としてきた母。
倒れそうになった母を後ろから抱きかかえ、膝でお腹の後ろを押す「腹部突き上げ法」を5~6回試してみましたが、それでも出てきません。
すると、しばらくして母の呼吸が止まってしまいました。
母の唇がみるみる紫色に変わっていくのを見て、目の前で何が起こっているのか分からずパニックになりました。
母を横にさせて、口を開けて詰まりものを出そうとしましたが、食いしばりが強くて口が開きません。
父(88歳)も一緒にいろいろと試しましたが、その状態になってすでに1~2分、母の呼吸は戻りません。
私は右手で意識のない母を抱えながら、左手でスマホを操作して救急車を呼びました。
父と2人で詰まった物を出そうと格闘しながら、同時に救急隊からの「年齢は? 呼吸はありますか?」などの状況説明の問いかけに答えなくてはなりませんでした。
いま思えば、あんな余裕のない状態でよくできたなと感じます。
つながったままにしていた電話の救急隊から「心肺蘇生を試してみてください」と言われました。
するとそのとき、ポロンと詰まっていたアジフライが母の口から床に飛び出しました。
「出た出た!」と父と2人、大声で叫びました。
アジフライが口から出たと同時に母の呼吸も戻り、しばらくすると意識も戻ってきました。
まだ朦朧としていましたが、これで助かるとホッとしました。
母の意識が戻った頃に救急車が到着して、無事に母を病院に搬送でき、事なきを得ました。
病院では、救急の先生から「今回は応急処置が良かったので助かったけれど、そうでなければ死んでいましたよ」と言われて、改めてゾッとしました。
一方、自宅で待機していた父は警察から1時間近く質問攻めに合ったそうです。
なんと、私と母が救急車に乗った後、警察が家に来たのです。
高齢な父は「疲れたから休みたいと言っても警察はなかなか帰ってくれなかったし、大変な目にあった」と、病院から自宅に戻った私に言いました。
父は私が警察に電話をしたせいだと不満そうでしたが、そんな覚えはないのにな...と思いつつ、私も疲れてその日はすぐ寝てしまいました。
翌朝「私、警察に電話したかな?」とモヤモヤしていたので、スマホの履歴を確認しましたが、やはり、私から警察に電話はかけていませんでした。
警察がなぜ家に来たのかは不明です。
救急隊から警察に連絡が行ったのかもしれません。
ともあれ、家族団らんの夕食でとんでもないハプニングが起こり、一生忘れられないエピソードになりました。
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