「削っていい?」大家さんからの要望。夫の人のよさから悲しい結果に

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:わみちゃん
性別:女性
年齢:62
プロフィール:人のいい夫には言われっぱなしです。

「削っていい?」大家さんからの要望。夫の人のよさから悲しい結果に 29.jpg

我が家は築40年ほどで、借地の上に建っています。

もともと賃貸アパートに住んでいたのですが、いざ家を建てようとしたとき、大家さんからこうお願いされました。

「出て行かれると困ります。うちの土地を提供するから、そこに家を建てて住んでくれない?」

「借地料はいらない」とも言われたのですが、それはさすがによくないと思い、借地料はずっと払っています。

賃貸のアパートを出て、家を建て、庭を作り、桃、柿、みかん、枇杷、ざぼん、桑などの種を植え、いまは実をつけ、食べるのが楽しみになっています。

芝生も植え、飼い犬のくつろぎ場もできました。

ところが20年前、大家さんの孫であるAさん(当時20代)が結婚したときのことです。

我が家の裏にある大家さんの土地に、Aさんが新居を建てることになりました。

そこで問題が発生しました。

我が家の裏側に家があるため、お孫さんは側道を通って家に入るのですが、その道が狭いというのです。

そして、大家さんからこんなお願いをされました。

「ごめんなさい。車が入りにくいので側道を広げたいんだけれど、ちょっと庭を削らせてもらってもいいですか?」

人のいい夫は(当時50代)はこう答えました。

「いいよ、いいよ、好きにして」

これで飼い犬のくつろぎ場の芝生が消えました。

そして、息子のBさん(70代)に代替わりをした2023年の5月のことです。

「うちの息子(40代、裏に住んでいる孫)が新車を買うんだけど、いまのままだと通路が狭くて車の出入りが厳しいので、庭を少し削ってくれないか」

どうやら大きな車を購入したらしく、そんなお願いをしてきたのですが、庭を削ってくれと言われるのは2度目です...。

人のいい夫は今度も「いいよ、いいよ、好きにして」と...。

ところが、いざ業者が入って工事を始めたら、大型のクレーン車などがドカドカと入ってきて、慈しみ育ててきた果樹をよそに植え替えることなく、根こそぎ抜いていったのです。

切り株だけ残った無残な庭...。

「この切り株はこのままなの?」と業者に聞いても「ここまでしか契約していません」の一点張り。

「切り株だけを残されても、何もできないじゃない!」と食い下がり、なんとか切り株は撤去してもらいました。

無残にも野ざらしになった庭を見た夫は「いいよ、いいよ。ワンちゃんのドッグラン場にするから」と言っていました。

とはいえ、余計なお金に労力もかかります。

もめるのは嫌だけど、またなにか大家さんから言われそうで、ここに住み続けていることを少しだけ後悔しています。

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